日米同盟とは日米両国に資すべきもので、米国の国益優先であってはならない。

 失礼な大統領だ。日米首脳会談で米国が用意した時間は僅かに35分だったという。鳩山氏の場合は会談時間すら取らず、昼食の間10分ほど話しただけだった。それがオバマ大統領の考える同盟国日本の重要度なのだろうか。


 


 沖縄米軍基地問題にしろ、TPP問題にしろ、米国産牛肉の輸入緩和にしろ、国際結婚の子の親権に関するハーグ条約加盟にしろ、何も日本にとって急ぐべき課題ではない。それよりも同盟国米国に対して日本が求めるべき課題は米国の世界戦略の見直しと、日本にここ二年以内だけでも35兆円も為替差損を与えた米ドルの信用不安に対して米国経済対策と米ドル為替管理に対して注文を付けるべきだろう。


 


 日米二国間関係が日本外交の基軸なのは明らかだ。何しろ米国債を大量に買っているのは中国と日本だ。僅かに中国の方が多いと中国は胸を張っているらしいが、世界に投資している総額でいえば中国は日本の足元にも及ばない。つまり経済面では中国の世界経済に対する影響力よりも日本の力の方が遥かに強大なのだ。その結果が異常なほどの円高に現れている。


 


 米国は世界戦略上でも米国経済・金融政策上でも同盟国日本を失うわけにはいかない。日本が同盟国でなくなれば、米国が受ける損失は計り知れない。その反対に、日本が米国の同盟国から離れて蒙る損失とは何だろうか。中国や露国の脅威があるではないか、と指摘するかも知れないが、日本国内にあれほどの米軍専用の基地と軍事力を駐留させていて、どれほどの脅威が軽減されているというのだろうか。むしろ日本に対する米国の我儘な振る舞いに日本国民は腹を据えかねているのが現状ではないだろうか。


 


 戦後既に60数年も経っている。世界大戦の敗戦を知らない日本国民が圧倒的な割合になっている。いつまでも米国が戦勝国の振る舞いを日本に対して続けることは出来ない。歴史的な意義と評価を日米大戦に対して行い、戦後米国の日本に対する振る舞いを振り返ることも日本にとっては必要になって来るだろう。それは歴史家の役目だが、残念なことは国際戦略的視野を持った歴史家が日本に存在しないことだ。そうした教育を決定的に欠いた、戦後歴史教育の戦略性のなさを日本国民は反省しなければならない。中国や韓国のように歴史そのものを戦略的武器と捉えて捏造までしでかしては絶対にならないが。


 


 オバマ氏の苛立ちは理解できる。米国は手詰まりになっている。米国の独善定な振る舞いを可能にしてきた世界に冠たる経済力が翳りを見せて既に久しく、世界の二大米国債買い入れ国の動向を無視できなくなっている。二国が米国債を一気に世界の金融市場に放出すれば米国は間違いなくデフォルトするだろう。


 そのため中国に対して人権問題を大声でいわなくなり、空母を建造しても素知らぬ顔をしている。今後尖閣諸島に進駐してきても米国が当てになるとは思えない。中国に対して米国は腫れ物に触るように接している。


 


 だが日本に対しては「脅し」が有効だと思っているようだ。日本国内の米国の意向に忠実な官僚や大マスコミや、自民党や公明党の政治家たちと民主党の一部政治家がいる限り、米国は暴君の振る舞いを続ける方が日本操作に有効だと思い込んでいる。だから日本の首相に僅か35分の会談時間しか与えず、しかも「早くしろ」と叱りつけることが出来るのだ。


 日米は軍事同盟を結んでいるが、臣下の礼を取るべきとの条約までは結んでいない。対等な国家として日本首相は日本の立場を鮮明にすべきだ。日本国内米軍基地は日本政府の意向に従ってもらうことを言い渡せば良い。それが不服なら撤退してもらうことだ。現行の日本にとって侮辱的な日米地位協定をいつまで続けるつもりなのだろうか。それが、同盟関係を取り結ぶ友好国に対して行う所業なのだろうか。


 


 大マスコミは日本国民の総意が米国の独善的な振る舞いを許さなくなっていることを米国に気付かせるべきだ。それこそが日米二国間関係の良好な状態をいつまでも保つことになると悟るべきだ。「日本の首相がワシントンでオバマ氏に叱られたゾ、さあ大変だ」と日本国民を煽ることがいかに浅薄な日米二国間関係かを日本国民に知らせる結果になっていることを大マスコミの浅薄な連中は知らなければならない。日本の大マスコミの対米隷属姿勢こそが日米関係を壊している張本人なのだ。



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