なんとも矛盾しきった野田政権の円高対策。

 かつて野田財務相は円高対策と称して「円高対策基金7.6兆円」を積んだはずだ。その眼目は円高を利用して海外投資や企業の海外展開に資するために使う、としていたはずだ。つまり円高に乗って強い円で企業の海外展開を強力にサポートするとしていたはずだ。今回の中小零細企業を視察して野田首相の口から出た「企業の空洞化対策を行う」という趣旨と相容れないのではないだろうか。


 


 円高対策は日本の通貨当局の怠慢だと再三再四このブログに書いてきた。日本が米国の属国でなく独立した国家ならこの国の国民にとってもっとも望ましい通貨政策があるはずだ。海外投資して強い円を生かせ、などと安手の投機家のような発言を通貨当局がするとは情けない限りだ。そうではなく、貿易収支外の投機によってもたらされた円高に対抗するには円の買い支えではなく、円の増刷による対抗の方が遥かに的を得ている。


 


 世界的な通貨不安だとニュースは煽っているが、通貨不安は常に存在するものだ。しかしそれが貿易荷為替の決済レートだけに限定されるならそれほど目くじらを立てる必要はない。自然と収まるべき適正水準の枠内で放置していても収まるからだ。しかし投機筋の動きはそうはいかない。利益をあげるためなら何でもやるのが彼らの正義だ。国が破綻しようと失業が溢れかえろうと、彼らにとって知ったことではない。多くのカネを動かせる者が投機市場を制して莫大な利益を瞬時に懐に入れる。それがハゲ鷹ファンドの実態だ。


 


 そうした連中と対峙するにはそうした連中の言いなりになる政府を相手にしていては始まらない。米国政府のことだ。


 それならハゲ鷹ファンドを徹底的に懲らしめるために日本が米国政府の要請で彼らが決してやらないだろうとタカを括っている円の増刷を行えば良い。それも災害復興に必要なすべてのカネに見合うだけの円を刷って国内に流通させれば良い。


 為替相場に介入して買い支えるだけなら、ハゲ鷹ファンドは決して困らない。円高介入が一時的なもので終わるのは目に見えているし、日本政府から暗黙の了承を米国政府に求めているから、米国政府と繋がるハゲ鷹ファンドは利食いに回るだけだ。彼らは決して困らない。


 


 しかし突如として国内に円が増刷されマネーサプライが増えたとしても為替介入と違って国内問題だ。欧州や米国並にマネーサプライを増やしたところで文句をいわれる筋合いはない。国内的効果は少なくともデフレの抑制になるだろうし、うまくいけばインフレ要因になるだろう。国内景気が上向くに違いない。増税によって財源をまかなうとする税調は根本的に日本の景気を読み違えている。おそらく税率を上げれば景気は落ち込み従って直接税に特化している復興増税部分の税額は増えないだろう。


 


 野田首相は行く先々で相手を見て耳障りの良い発言をしているのではないだろうか。どうも米国へ出向いてオバマ氏と何を話し合うのか俄かに心配になってきた。勧告首脳とも会談するようだが、何をどのような話すのか心配になってきた。



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