野田首相は手品でも見せるのか。

 経済対策と財政健全化に道筋をつけると、野田新首相は本日国会で施政方針演説を行った。アクセルとブレーキを同時に踏んで国民の期待に応えるという。それは違うだろう、財務官僚と米国の期待に応えると言わなければ「誠実な政治」とはいえないのではないだろうか。


 


 その上で円高にも適宜対応していくとは、野田氏の論旨は四肢滅裂だ。円高対応は財務省の別荘づくりに過ぎない「円高対策基金」などの生半可なことでは効果は出ないと断言する。イタリアは直接中国にイタリア国債を買ってくれ、と陳情に行ったという。やがて日本にもやって来るとか言われている。


 欧州のユーロは財政破綻に瀕した問題国を抱えている。ギリシアは何とか金融措置を講じて一寸延ばしに危機を回避しているが、根本的な「多くの公務員と高額な公務員給与」の解決なくしてギリシア危機は去らない。いっそのことギリシアは破綻させなければ公務員の適正化は図れないだろう。同じようにイタリアも財政悪化を放置したまま幾ら国債を他国に売り込んでも根本的な問題点の是正なくして危機がイタリアから去ることはない。


 


 同じように日本の財政危機は長年に亘って官僚が「赤字予算」を平気で組んできたことにすべての源がある。当初は赤字国債も「建設国債」と言い換えて、道路や橋などの次世代にも引き続き受け継がれる資産を建設するのに国債を発行して次世代に付けを回しても構わない、とする議論がまことしやかになされたものだ。そして多くの経済学者や評論家が官僚の説明に聞き惚れて取り込まれてしまった。こんにちの莫大な赤字国債残高はそのようにして積み上がった。


 


 実は国も現在総額で幾ら歳入があって、総額で幾らの社会インフラをこの国は所有し、年間総額で幾らの予算が社会インフラの維持・管理に必要なのか判然していないのが実情だ。そうした杜撰な会計処理を延々と続けてきて、突然国家が破綻しそうだから次世代に付けを回してはならない、という美辞麗句で増税と増負担を国民に押し付けようとしている。しかし官僚たちの手にする給与は年間総額で1%とか1.5%の減額というレベルの話をしているのだ。国民をバカにするにも程がないだろうか。


 


 野田民主党政権は「国民の生活が第一」のスローガンを放棄したのだろうか。それならそれで明快に言ってもらわなければならない。2009マニフェストで国民に約束したことが果たせないとして、財務省の下請け同然に増税・増負担に舵を切ったのなら、直ちに衆議院を解散して国民に野田政権の信を問うべきだ。それが憲政史上の常道というものだ。



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