マスコミは国民に政治家の悪口を告げ口する単に嫌な奴なのか。
新任の経産大臣がマスコミの記者相手に燥ぎ過ぎた不穏当な発言をしたと、これまた記者が燥いで問題視しているかと思えば、自民党の幹事長が9.11に関して不穏当な発言をしたとして欣喜雀躍、特ダネスクープ扱いにして悦に入っている。
政治家も政治家なら記者も記者だ。いずれも子供じみて世界に配信すれば顰蹙と軽蔑の眼差しを向けられるのが関の山だろう。余りバカバカしいことを針小棒大に取り上げないことだ。
そんな国内の問題なら無視しているうちに消えてしまうだろうが、看過できないのは対外的に相手のある発言だ。前原氏が何の公用で米国へ出掛けて記者会見で「対米ポチ国家日本」を暴露するような発言をするのとではわけが違う。自衛隊の武器使用緩和は直接に防衛武力行使基準の緩和に繋がり、武器輸出三原則の緩和は日本の軍需産業の復活を公的に認めることになる。そうした大きな意義を伴う発言をしたとの認識が前原氏にあるのだろうか。公党の政調会長の発言で日本国政府の公式発言ではないと言い張ったところで後の祭りだ。
大マスコミは政局となり各党が入り乱れて政治が混乱するのが望ましい。平穏無事に国会審議が進めば、大マスコミが国会の表話から裏話まで仔細に報じる必要はなくなる。根幹は官僚内閣制で推移すれば大マスコミは政治家をバカにしていれば良いだけだ。国民の代表たる『選ばれた』政治家はかくも無残なほど愚かなのだと国民をも同時にバカにしていれば気が済むのだろう。
小学校のホームルームでもあるまいに「先生、鉢呂君がふざけています」と告げ口をする。それを得たとばかりに野党が「けしからん、辞任ものだ」と憤慨してみせる。なんのことはない。野党の幹事長も五十歩百歩の問題発言をしている。
なにしろ素人の民間人が選挙に当選した途端に「先生」になるのだから訓練が行き届いていないとしても仕方ないだろう。政治家はタレント並みの人気稼業に堕ちてしまって久しい。人気さえあれば選挙に当選してバッヂをつける。それが民主主義だというのなら認識不足の政治家が出てもことさら騒ぐことはないだろう。