民主主義と敵対する既存勢力。

8/11付の読売新聞は早くもポスト菅に対して「提言」を一面に掲載した。


☆ポスト菅で迅速な政策決定。<行政組織を活用せよ>


☆消費税率上げで財源確保。<増収分を被災地に集中投下>


☆暮らしの再建が最優先だ。<特区で雇用作り出せ>


☆放射能に苦しむ福島を救え。<計画的な除染で人々に安心を>


☆電力危機を直視すべきだ。<国の責任で原発再開せよ>


 と、以上五点からなる政策提言をしている。しかし読売新聞は自分たちの提言が矛盾に満ちたものだと解っているのだろうか。


 


 まず第一に菅政権であろうとなかろうと行政組織は活動していなければならない。図らずも官僚がサボタージュしていると読売新聞は暴露したのだろうか。それとも自・公政権下のように政策を官僚に丸投げして、何もかも官僚のやりたい放題にさせることが望ましいあり方だと思っているのだろうか。


 消費税値上げで財源確保をして被災地に集中投下せよとはどういう意味だろうか。消費税率上げが国会を通るまで被災地に資金を投下しないということなのだろうか。何はともあれ国は被災地に日銀引き受けによる特別復興国債発行により資金投下して、その後で償還を考えれば良い。ここは為替介入による管理よりも円を国内に増刷してばら撒く方が遥かに有効な為替介入と同じ効果をあげる政策だ。チマチマとした日銀引き受けではなく、数十兆円の国債引き受けで国内に増刷した円をばら撒くことだ。


 


 第三点の「暮らしの再建」は何も被災地だけのことではない。派遣社員や若者たちの困窮した暮らしと将来に明かりの見えない年金制度に対して、税の大胆な投入で共済年金並みに厚生年金や国民年金支給額を引き上げることだ。それで年金会計が破綻するなり国庫が破綻するのならすべてを一律に引き下げることだ。


 公務員だけが優遇される年金制度は明らかに間違いだ。公務員と公務員OBだけが特別に優遇される社会とはなんだろうか。そのことになかなかメスを入れない政治家は誰の代表なのだろうか。


 


 福一の放射能汚染は止まったわけではない。除染もさることながら、まだ放射能汚染物質は福一からダラダラと出続けているのを止めるのが急がれる。深刻なのは地下水汚染で地下へのダムを早急に造らなければならない。


 メルトスルーした核物質がどこに留まっているのか、一日も早く突き止めることだ。原発建屋をキャンバスで覆うのも結構だが、なぜ恒久的な建屋ですっぽりと覆う工事を始めないのだろうか。それこそプレハブ式による組み立て作業で造れば作業員はそれほど被爆をしないで済むだろう。放射能汚染物質の拡散を抑え込んでこそ第一段階が終了したといえるのではないだろうか。


 そしてそのコストに関して読売新聞は一切触れていないがなぜだろうか。除染だけでなく様々な補償を誰がするのか、菅政権下で東電救済スキームが成立したが、そんなものは新政権ですぐに反故にしなければならない。東電が引き起こした事故の一義的補償責任は東電にある。それが国が支えて国民負担で尻拭いするとは東電の経営者倫理はどうなっているのだろうか、と見識を疑う。


 


 最後に、電力危機を直視して原発を再開せよとは読売新聞がどの勢力のエージェンシーか明らかになった。少なくとも国民の視線に立つものではない。未来のエネルギー政策を考えるならこの際原発とはきっぱりと手を切り、自然エネルギーへシフトすべきではないだろうか。原発なしで何とか遣り繰りできるのなら、電気事業の地域独占を廃止し自由化して様々な企業が参入できるようにすべきだ。そもそも日本には「独占禁止法」があって独占事業の存在は基本的に認めていない。いつまで電気事業者を特別扱いすれば気が済むのだろうか。独占禁止法の精神通り、独占企業が社会と国民に害悪をなすから禁止しているとの指摘通りに電気事業者は国家と国民に害悪をなしている。いかに読売新聞が電気利権一家の一員であるにせよ、悪いものは悪いといわなければ報道の名が泣くだろう。


 ネットではマスゴミと悪態をつかれているが、それも仕方ないと思わざるを得ない愚劣な「提言」だ。



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