当初は八月ではなかったか。

 当初、財務省は公債特例法が成立しなければ今年度の予算は八月には枯渇する、という見通しを表明していなかっただろうか。それが2月ほど伸び10月には枯渇するという。それなら野党はこのまま菅氏政権に協力しないで公債特例法案を店晒しにしても問題はないことになる。なにしろ菅氏は短期間で退陣するはずだったからだ。


 


 菅政権の目玉とされるモノは次々と変わり、いつの間にか消えてしまった。民主党の政治主導の目玉だった「国家戦略局構想」はいつの間にか「室」へと変わり、今では存在しているのかどうかすら誰も問題にしていないようだ。


 「増税と社会保障の一体改革」も与謝野氏をスカウトして強力に推し進めるはずだったが、2010年代の半ばに何とかしよう、という努力目標へと格落ちして終了したようだ。


 


 今回は復興大臣が自身の名に因んだのだろう「チーム・ドラゴン」と暴走族のような名を付してしまった。復興を司るのなら再生や復活をイメージし地元を元気づけるような和名にすべきだった。そうした大局を鳥瞰する視野に欠けた「ジコチュー」復興大臣らしい薄っぺらな命名となった。


 いつも思うのだが、首相や大臣がガキのような人物だったとしても、それが国民にバレないように周囲の者がカバーしなければならない。しかし、そうした仕組みは政治に関してはものの見事に機能していないようだ。賢明なる執事のような官僚は一体何処へ行ってしまったのだろうか。中川昭一氏の酩酊会見以来、官僚はむしろ政治家を貶める機会を狙っているかのようだ。


 


 復興大臣がサッカーボールを手にしたら「何をされるのですか」と問わなければならない。「県知事へ向けて蹴るのだ」と返事があれば「公式訪問でそうしたオチャラケたことをしてはならない」と強く窘めるべきだった。


 しかしこの世は何でもアリとなってしまった。地域独占企業がその使命を果たせなくなっても誰も「地域独占利権を剥ぎ取れ」と怒声を発しなくなった。そしてワル乗りしたかのように大手マスコミはサンダルにポロシャツで官僚が執務するのを報じて非難しない。「省エネに良い」などとコメンテータは発してニコニコしている。最低限の守るべき礼儀が何も存在しなくなり、国民に奉仕するのか自分たちが楽しんでいるのか分からない執務態度に違和感を覚えない国民もまた「原発ショック」に茫然自失しているのか、と思考停止状態に驚かざるを得ない。


 


 この世には何らかのケジメが必要だ。東電が仰天動地の原発事故を起こしても企業が以前と変わりなく存続するなら、経営者倫理は崩壊したに等しい。復興大臣が被災地の県知事相手にワルガキ然とした口を利いても居座り続けるなら、学校の先生にタメグチを使う生徒を叱り飛ばすことはできない。物事には一定の則とケジメがあったはずだ。それを見事なほど喪失して、何が「誇りある日本」なのか。恥知らずな連中の集まりに過ぎない。


 大手マスコミもこの国を代表する政治家を一方的に貶め、貶め続け、根拠もなく貶めに貶めて、なおも恬として恥じない。一定のマスコミとしての則とケジメは何処へ行ったのだろうか。それでよくも恥ずかしげもなく今もテレビに素面を晒して大口を叩けると、厚顔無恥を地で行く面々に仰天せざるを得ない。彼らがこの国を代表する「言論人とコメンテータ」だとしたら「嘘を言ってはいけません」という初等教育から培ってきた道徳は全く効果がなかったことになる。


 


 菅氏は現代日本の風潮をモノの見事に具現化している。首相ともあろう人がテレビを通して大衆を面前に演じられた民主党議員総会で「早期退陣と引き換えに不信任案否決」をお願いしておいて、「退陣するとは言っていない」と強弁し、居座り続ける。


 だらしないクールビズと称するノーネクタイの恰好は止めよ。官邸や国会は品位を重んずべきで、暑いからノーネクタイだ、というのなら褌姿で会議をやることだ。ダラケタ恰好から思惟までもダラケにダラケてしまったようだ。冷房温度も機械設置の体をなさないほどあげてどうするのだろう、キチンと最高能力が発揮できるほどに涼しくすべきだ。それでどの段階で東電がパンクするというのだろうか。そもそも電気を満足に供給できない地域独占企業とは何者だ。国民に不便と熱中症の危険を強いて「省エネだ」と悦に入ってサンダルにポロシャツの官僚やテレビ出演者はこの時代の幇間に過ぎない、と恥を知るべきだ。



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