この国の未来にとって誰が首相かよりも「電力改革」の方が喫緊だ。

 政府は今月25日から2ヶ月間10%ほど関西電力管内にも「節電」を求めるという。それは不具合により大飯原発を緊急停止させたため電力不足になったからだというのだ。


 地域独占体制で戦後の復興期から高度経済成長と電力行政をやって来たが、大きく見直し方向転換する時期に差し掛かっているのではないだろうか。


 


 たとえば再生可能エネルギーへのシフトに関して、チマチマとした小手先の「全量買い取り」策で20%程度の発電割合達成は困難だろう。なぜなら地域独占企業にとって原価を気にすることなく官僚も含めた「電力一家」が繁栄することを考えれば良いだけだからだ。


 


 石油や石炭を購入して発電すればそれなりに購入会社との関係が出来る。しかも相手会社の言い値で買っているようだから、石油や石炭を納入する会社にとってこれほど大口にして上得意客はいないだろう。経産官僚も一体となって「電力一家」を形成してもおかしくない。


 


 全量買い取りは買い取る電力会社に再生可能エネルギーの死命を制する権限を握られていることになる。一定の割合を越えそうになると経産官僚に「再生エネルギーの割合が増えるとあなた方の天下り先が細るよ」と耳元で囁けばよい。そうすれば官僚が政治家を動かして買い取り電気料金の引き下げを「下げなければ家庭電気料金を値上げせざるを得なくなる」などと理屈をつけて国民の関心を再生エネルギーから離反させるだろう。


 


 もちろん大手マスコミは常に官僚の広報機関だ。官僚利権擁護のままに報道を続ける。だから地域独占企業体制がおかしいとは決して論評も広報もしない。発・送電分離をして電力会社の自由化をすべきなのが自然の流れなのだが、ここ一月ばかりはそうした議論をスルーしている。


 


 日本の電気料金であれば自由化すれば民間企業が発電事業に新規参入するのはそれほど困難ではないだろう。地域独占の電力会社が大きな顔をして地域経済界を牛耳る体制を継続するのにどれほどのメリットが国民と産業界にあるというのだろうか。これほど高価な電気供給されている産業界は「電力一家」を除いて、むしろ恨みしかないのではないだろうか。電力供給源を自然エネルギーへ大転換するのなら電力事業の仕組みから変えなければならない。新規参入を押し止めている堤防を切ってしまえば、あとは低い方へと水は流れるものだ。


 


 マスコミから消えてしまった「発・送電分離による電気事業の自由化」を季節外れの幽霊のように訴え続けるしかない、と覚悟を新たにする。そうすることがこの国と国民のためになると思うからだ。



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