表面的な事象だけを見てはダメだ。

 日米物品役務相互提供協定(ACSA)に基づいてシャワー設備が自衛隊に供与されていたという。トモダチ作戦は継続していると、そのことしか伝えないのが日本の大手マスコミだ。深層部で、日米物品相互提供協定(ACSA)がどれほど日本の防衛費を高額なものにしているかを大手マスコミは追及しないばかりか、おそらく大きな問題が存在することすら官僚の下請け広報機関はご存知ないのかもしれない。


 


 日米で物品を相互に提供しあうことから工業基準を合わせておかなければならないとの要請から、自衛隊の機器はすべてインチ基準で作られている。だから米国の施設を供与されてもすぐに自衛隊で利用できるはずだ。その反対に米軍の弾薬が不足しても自衛隊からいくらでも臨時的に供給できる。つまり自衛隊車両に到るまで特注品で高額となり防衛費を乱費してでもインチ基準としているため、米国とは部品に到るまで即座に相互供与できるのだが、世界基準のメートル法を採用している多くの世界各国とは武器などを供与できないという大きな問題がある。何も輸出せよというのではない、これから将来世界へ出ていく際に、日本は米国としかタッグを組めないということが問題なのだ。


 


 しかもそのために日本の防衛費が高額になっている。たとえば艦船を建造する場合でも自衛艦はすべてインチ基準の部品を使う。菅工事で使用する菅もインチのため「特注部品」となり何やかやの累積で同トン数で比較すると一般の艦船建造費の10倍ほどになっている。日本の世界に誇る戦車もしかりだ。制作仕様や部品はインチの特注品なのだ。


 


 暮らしの隅々に定着していた「尺貫法」を強引に日本社会から放逐したのは米国の嫉妬ではないかと思っている。戦争でいかに相手国を打ちのめそうと、歴史まで抹消することはできない。日本は明文化された由緒正しい歴史だけでも千七百年以上もの長さを誇っているが、米国はたかだか二百数十年だ。底の浅い文化しか持たない米国人が「尺貫法」だけでも仏閣建築で見る限り千数百年もの歴史があるのに嫉妬しても不思議ではない。


 それほど古い尺度文化を持っている国は世界でも稀だ。被占領国民の日本人を「イエローモンキー」にするには由緒正しい千数百年の文化があってはならない。支配者たる米国人の方がすべてに於いて優れていなければならない。そうした心理が働いたと見るのは穿ち過ぎだろうか。そして恥も外聞もなく日本の官僚が米国の御先棒を担いで「尺貫法」を徹底的に日本社会から排斥したのだ。そしてバカな政治家がそれを追認した。


 


 日本は世界基準たるメートル法を受け入れるために実に馬鹿げた運動を展開した。和裁で必要な鯨尺の販売を禁じたり、大工仕事で基本の曲尺をセンチにしたりと、考えられないような伝統文化の排斥運動を日本政府が先頭に立って行った。しかし、米国は厚かましくもインチ基準を捨てなかった。そうすることにより、少なくとも度量衡では日本より米国の方が歴史があることになる。何ともバカバカしいことだが、日本は先人の暮らしの知恵と文化を弊衣のように投げ捨ててしまった。


 


 日米安保で共同作戦を行う際に武器団薬や部品を相互に融通しあうには製造基準が一致していなければならない。だからインチを使用せよ、とは傲慢不遜な態度だといわなければならない。米国は日本とだけ同盟を結んでいるのではない。それなら米国がメートル法に合わせるべきだ。日本は世界に通用する日本の工業基準で製造すべきだ。それがいやだと米国がいうなら、ACSAは廃棄しようではないか。日本にとって不都合なことは何もない。



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