原発の安全確保とは何だろうか。

 福島第一原発では震度5程度で原発の原子炉そのものがダメージを受けて障害が生じていた可能性が高いとされている。津波により二次的にバックアップ体制が破壊され、ついには原発建屋から放射能放出という深刻な事態を招いてしまった。


 


 新たに選任された都道県知事が「原発の安全性確保」を第一公約に掲げているようだが、すると新任知事はいずれも原発の存続を前提としているのだろうか。


 存続を認めた場合、現実にどのようにして原発の安全性を確保するというのだろうか。地方自治体が独自に電力会社に対して「安全監視委員会」等を設置して監視するとでもいうのだろうか。


 


 それとも政府に対して「原発の安全確保」のために設置されている政府機関に、安全性の確保を督励する、ということなのだろうか。経産省に設けられている「原子力安全保安院」がそれに当たるのだが、現在の保安院の仕事は事故対策本部の広報担当をしているだけだ。しかも、福島第一原発の安全性に警鐘を鳴らしていたのは在野の学者で、東電を始め原発関係のどの機関も「安全に運転できる」と保証していたのではなかっただろうか。


 


 大手マスコミも原発の安全性に警鐘を鳴らさなかったのは周知の事実だし、危険性を指摘した共産党議員の質問に対して行った政府答弁も「安全性は確保できている」としたものだった。そして放射能垂れ流し水素爆発という事故が現実に起こった。しかも大手マスコミは安易に「千年に一度の災害」と不可抗力でもあるかのような報道をしているが、千年に一度の地震でもないし、たとえ想定を超えていても原発は事故を起こしてはならない施設なのだ。


 つまり、東電と政府のいう「安全性」の基準そのものが問題にされなければならない。実際に震度5に見舞われたのなら7でも壊れない耐震性を備えているのか、を検証しなければならないだろう。その手段は何処がどのようにして行うのか、まさか電力会社とその毒饅頭を腹いっぱい食らった連中に任せるつもりではないだろう。


 


 冷遇されつつも「原発の安全性」に警鐘を鳴らしていた学者たちの方が正しかったわけだから、彼らこそ「安全性の検証」に信任されるべきだろう。信頼できる機関とは毒饅頭とは無縁な人たちだ。官僚たちは天下りによる「毒饅頭たらふく」を期待している連中だから決して信用してはならない。彼らのOBが天下っている東電がこの体たらくだ。官僚たちは腐りきっている。ゆめゆめ中央官僚の言葉を鵜呑みにしないことだ。


 


 さて、新任知事たちは有権者に対して「安全性の確保」を声高に約束したが、具体的な検証手段もなく発言してみただけなら、これほど有権者をバカにすることはない。具体的に安全性が確保できるまで、まず原発すべてを停止して有権者の納得がいく検証結果が出るまで再開させない、というのが正しい態度ではないだろうか。そして当然のことながらその措置によって電力が不足するのなら節電を呼び掛けて、地元住民の命と暮らしを守るために全力を上げるのが政治を執る者の責任ではないだろうか。



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