東電の初期対応はどうだったのか。

 福島原発は1970年に稼働した老朽炉だった。既に40年以上経過している。この40年経過という事実は重い。


 新幹線でも既に0系は退役して走っていない。それは経年劣化による危険度の増大もさることながら、進化する技術をどの程度採り入れているかにもよる。昔の原子炉は昔の技術によって支えられているのだ。


 


 たとえば人が原子力発電施設に入れない事態になるのは充分に想定しなければならない。その対応としてマジックハンドや人型ロボットの投入を考えておかなければならない。昨日2号炉から作業員が目を離した間に水がなくなり空炊きになったが、実は目を離したのではなく危険な状態になったので作業員が撤退していたのだ。


 


 作業員が撤退すれば何がどうなるか、暴走する原子炉任せになる。原子炉が破壊されて致命的な量の放射能汚染が始まれば作業員のみならず付近の住民にも甚大な被害が及び、その付近数十キロは数十年間も閉鎖されることになる。そうした重大な結果を招来する原子力発電所事故に対して当事者たる東電が現場から撤退してどうするのか。


 


 停止していた4号炉も放射能を撒き散らしだしたが、その原因は冷却していたポンプが停電により停止したからだという。お粗末な原因だといわざるを得ない。その程度の初歩的な問題で国民のみならず世界に恐怖を与え、実際に放射能を撒き散らしているのだ。


 東電の歴代現場責任者は福島原発の現状と危険性に対してどの程度想定し、その対応策のシュミレートを検討していたのだろうか。


 


 全国の電力各社も原子力発電に関して東電と大した差があるとは思えない。似たような会社と技術者と学者が繰り返し建設に関与していたからだ。


 東電のこの体たらくを全国電力会社は他山の石として学ぶことだ。そして放射能防御服などの提供に関してでも福島原発の問題解決に少しでも協力することが必要だろう。


 


 新たな電源として原子力発電しか選択の余地がなかったかのようなアナウンスを大手マスコミはしているが、現在でも開発・利用されていない地熱発電適地は全国にある。それを適正に利用すれば日本国内の電気需要のすべてが賄えるエネルギーがある、との研究成果もあるほどだ。技術者の腕試しのような原子力発電は今後慎み、徐々に地熱発電と交替して撤退すべきだろう。


 


 福島原発の事態がこれ以上悪化しないことを祈るしかないし、停止した原子炉が冷却していくことを祈るしかない。最悪のメルトダウンへ事態が悪化しないようにする責任は一義的に東電にあり、二義的に原発を許してきた国と長年与党にあった政府・自民党と自民党を支持して来た国民にある。つまり、民主主義は最終的にすべての責任を国民が負う仕組みになっている。


 ただ原子力発電を推進した大手マスコミと官僚たちは常に安全地帯に逃げ込んで素知らぬ顔をするのだ。



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