大手マスコミの「扇動と拡散」報道は犯罪だ。
朝テレビを時計代わりにつけているが、すると昨日の国会予算委員会で自民党の石破氏が「そろそろ小沢氏の問題にキリを付けませんか」と菅氏に質問していた。
石破氏が指摘するところは小沢氏の国会招致に菅氏が指導力を発揮しないから実現できていないというのだ。
衆議院予算委員会からテレビ場面が転換して映し出されたのは昨夜の新橋駅前で、街頭を行くほろ酔い加減の人たちに「小沢氏の問題をどう思うか」とインタビューしていた。中には申し訳程度にまともな意見も挟んであったが、殆どは大手マスコミの小沢氏に対するネガキャンそのものの文句を繰り返す「思考停止状態」の意見を喚く姿を映し出していた。
これがこの国の国会と街頭風景なのだと、テレビは毎日のように映し出す。これこそがこの国の日常風景で、これこそがこの国の常識なのだと国民に繰り返し刷り込む。こうした風景が展開されるために仕組んだ二年近くに亙る「政治とカネ」なる小沢氏を貶める意味不明の呪文を散々流してきた、その効果を確認するかのように。
つまり小沢氏を嵌めて政治の表舞台から追放する「謀略」の下、検察が無理筋の乱暴な捜査に踏み切り、それを大手マスコミがこれでもかと「小沢氏=悪」の扇動を行い、テレビで無害無毒のような顔をしたコメンテータにステロタイプの大手マスコミ報道に沿った小沢氏非難のコメントを毎日発言させて小沢疑惑のプロパガンダを拡散した。
残念ながら元防衛大臣まで勤めた国会議員にして皮相な大手マスコミのプロパガンダとバレバレの小沢疑惑問題を小沢氏の問題だと捉えている。その程度の危機意識と分析能力で国が守れるのだろうか。
小沢問題は小沢氏の問題ではなく検察と大手マスコミの癒着したプロパガンダ垂れ流しの情報操作と世論誘導というこの国の明日を決めかねない問題であり、そうだと気付かない国会議員諸氏そのものの問題でもあるのだ。
既に大久保氏を逮捕した西松組違法献金は訴状から消えている。石川氏を逮捕に踏み切らせた水谷建設の一億円収賄事件も石川氏の訴状に記されていない。彼ら元秘書三人の訴因は図らずも訂正印で済まされる程度の「政治資金規正法に基づく収支報告書の虚偽記載」だが、それすらも子細に検証するまでもなくこれまで明らかにされた事柄から収支報告書に虚偽記載すらないことが判明している。だから検察はたとえ起訴しても「敗訴」という彼らの汚点となるばかりか国策捜査との批判を受けるのを避けるために小沢氏を起訴できなかったのだ。ただ、その代役を第五検審会にやらせた。
こうした陰険な謀略がミエミエの検察と大手マスコミの騒動を、国会議員が国会論争で全く問題にしない風景を見ると、戦前の大正デモクラシーが政治舞台から退場させられて昭和軍部の台頭を誘導した大手マスコミの扇動と世論操作の手法もかくあったのではないかと思われるほどだ。
危険極まりないことが平成の現代日本で国民の目の前で演じられ、その世論誘導効果が明らかに浸透している実証として新橋駅前のほろ酔いオヤジたちの口から大手マスコミが刷り込んだ呪文が再生されている。ものの見事にこの国の多くの国民は「ある勢力の思惑」通りに扇動され洗脳されたようだ。
それを危機と感じない国会議員は全く御目出度い。何から何を守り、何に奉仕するのか、国会議員は本分たる議員必携手帳を最初のページから読み返すことだ。