官僚だった者の視点はかくも独善的だ。

 頼るべき政府があれば国民は将来に慄かない、とはいかに独善的な言だろうか。頼るべき政府は存在しているのではなく、絶えず創るものだ。存在したと思った途端に、制度は腐敗し権益者は既得権を守ろうとする。政治とはそうした定型的な政府であってはならないと絶えず検証することだ。


 


 転がる石に苔はつかない、というのは英語の諺だ。絶えず変革する政府に苔はつかない。しかし自民党政権が長らく続き、制度は固定化された。その中でも酷いのは公務員・官僚組織だ。国も地方も財政破綻に瀕し、勤労者年収は景気の低迷と企業の労働分配率を派遣などで低下させたため、毎年のように低下しているというのに、公務員給与は高止まりしたままだ。


 


 民間給与水準に準拠して定める、と名目に謳っている人事院勧告がいかに非常識なまま改善されていないか。そのため地方公務員で平均給与は700万円を超え、霞ヶ関の官僚たちの平均では1500万円を超えている。民間勤労者平均給与が426万円なのに対してだ。


 


 それでも国民は政府を信頼して縋っていれば将来に慄かないし、対米従属外交を続けて国富を米国に吸い取られても、ポチのように従っていれば安心だというのだろうか。


 むしろ明確な指針が必要なのではないだろうか。この国はこの国の国民が守る、という世界各国では極めて常識的な国家意識を持つように国民に求めることが必要なのではないだろうか。


 


 米国の戦争戦略にこれ以上、日本がコミットするのは危険ではないだろうか。日本の大手マスコミは滅多に報じないが、アフガンは元々タリバンが政権を執って治めていた国だ。現在のアフガンの政権は米国の傀儡だ。米国が手を引けば早晩倒れるのは目に見えている。ベトナムで犯したのと同じ過ちを米国はアフガンで犯しているのだ。


 


 その国の政権が良いか悪いか、それを判断するのは米国でもなければ日本でもない。その国の国民だ。


 日本が集団的自衛権を米国と結ぶのは危険だ。むしろ中国と対峙するには東南アジア諸国と連携を取るべきだし、露国と対峙するには中央アジア諸国と連携すべきだろう。そうした集団的自衛連合を日本は現実的な防衛政策として目指すべきではないだろうか。


 


 転がる石に苔はつかない。米国とはあまりに転がらないで固定化し続けてきた。そろそろ米国の世界戦略の一部であり続けるのを止める一歩を踏み出す頃合ではないだろうか。



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