やっと議連が出来るようだが、
菅政権がやっている政策は財政さえ健全化へ向かえば国民生活はどうなろうと知ったことではない、という方向だ。あれほど「雇用」を連呼していたが政策面で見る限りでは何もしていない。派遣業法はどうなったのか、最低賃金制はどのような成果へ向けて議論を集約しているのか。全くそうした議論が党内で戦わされている様子がないまま、元自民党の財政再建派のゾンビを政権内部に甦らせて、デフレ下の増税という最悪のシナリオへ突き進もうとしている。菅氏に経済と景気の関係が全く分かっていないのではないかと懸念する。
日銀当局も通貨の健全性さえ維持すれば円高になろうとデフレになろうと知ったことではない、という独善性が見える。円高に対しても自分たちの責任さえ果たしていれば、後は諸外国通貨当局の問題だ、という内向き志向のミクロ的な視点しか窺えない。欧州や米国に負けないほど円を増刷して、中国の実質切り下げられた「元」や切り下げられたままの韓国の「ウォン」と大幅に切り上げられた「円」で国内企業が国際貿易で闘うのは容易ではない。そうした悲鳴を聞く耳を持たず、日本国政府と日銀当局は米国に言われるままに「ドル」安誘導に協力する形で円高を容認してきた。日本の国益に反した通貨政策に終始してきたといわざるを得ない。
1ドルが120円程度になれば劇的に景気は回復し、税収は増加して消費税議論は吹っ飛んでしまう。しかし、米国はそうはさせまいと米国の格付け機関で日本国債のランクを下げて増税の外圧を掛けてきた。その税収で米国債をさらに買い増せ、というつもりだろうが、そうはいかない。日本の財政は日本国民のために使うと政府は発信すべきだ。そして増税でではなく、景気回復による税収増で財政再建を行うことだ。
円安には二面性があり良い面ばかりではないという評論家がいる。その通りだが、円安によるインフレなら日本国債の暴落を招かない。しかしデフレ下の景気後退が深刻化すればハイパーインフレが突如として巻き起こる可能性が増大する。それよりははるかにましだろう。
遅きに失した感があるが、政治家が官僚が行う様々なハンドリングに国民の意思を反映させる仕組みと、米国に対してもはっきりと物申す態度を示すことが何よりも必要だ。本来なら大手マスコミが率先して日本国民のためにそうした世論喚起すべきなのだが、馬鹿げた小沢疑惑を捏造して騒ぎ立てる程度のことでジャーナリスト面をしているマスコミ関係者では望むだけ無駄なのだろう。