地方自治体の首長が元気なわけは。
東京都の石原都知事が四選不出馬を宣言し、神奈川県知事の松沢知事を推しているようだ。それはそれで一つの時代が終わるのだが、なぜか都道府県知事や大都市の首長選挙で政党が指導力を発揮できないでいる。
従来からも都道府県知事選挙や大都市の首長選挙では各政党相乗りの選挙が繰り返されてきた。地方の首長選挙に政党色を出すのは良くないという風潮すらあった。
中央の国会議員が今ほど国民の信頼を失っている時代はないだろう。官僚は良いように国会議員を操り、国家財政が逼迫しても自分たちの利権擁護が先決とばかりに、政権交代があったにも拘らず、あらゆる制度のを現状維持を至上命題として民主党大臣に対応してきた。
そのため変わり身の早い前原氏は前言を翻す名人となり「コンクリートから人へ」という至極当たり前のスローガンを放擲してしまった。岡田外相も鳩山首相が「最低でも県外」と発言している傍から「日米合意を尊重する」と外務省の意向を平気で口にしていた。それは防衛大臣も同じことだった。嘘だと思うならバックナンバーの新聞を閲覧してみると良い。つまり鳩山政権は首相の意向を無視した官僚のサボタージュによって潰されたといっても良い。
地方が新しくこの国を変えるかのような幻想を大手マスコミは醸成しているが、大変危険なことだ。地方から国を変えることは出来ない。国を変えなければ地方の仕組みは変わらない法体系と行政体系になっている。
地方公務員は地方が元気になって分権する方が地方公務員の権益が肥大化するため諸手を挙げて賛成している。その一方で中央官僚は地方分権は自分たちの権益を殺ぐことになるため、必ずしも賛成しないどころか国会議員を操って反対の動きをしている。
つまり地方が元気なのではなく地方公務員が首長を応援しているからだ。菅政権は官僚に抱き付いたが、それは国民に対する背信行為に他ならない。
国民は菅民主党に裏切られた思いでいる。今日、菅民主党は小沢氏を「無期限党員資格停止」を決定した。これほど菅氏たちが愚かだったとは思わなかった。驚き以外の何ものでもない。
官僚に抱き付いた菅政権は民主党政権とは似ても似つかないものだ。これでは小沢氏に本家「民主党政権」を打ち立ててもらうしかない。地方がなぜ元気か、公務員が協力しているからだ。それなら国政を元気にするためには、官僚に政治主導の政権に協力せざるを得ないように仕向ければ良い。政治主導の政治に協力しなければ首にすると脅し、実際に数人の首を飛ばしてやれば少しは堪えるのだが。官僚トップの人事権を握っている大臣の伝家の宝刀は錆びついたままだ。