石川被告の虚偽記載とは

 石川被告の起訴事実は小沢氏の政治団体「陸山会」の会計責任者だった元秘書石川氏が04年10月に約3億4千万円で東京都世田谷区の土地購入したにもかかわらず、政治資金規正法に基づく収支報告書に記載していなかった「虚偽記入」の罪と、翌05年1月に土地を取得したとする報告をしているいわゆる期ズレの「虚偽記載」の罪とに問われている。


 


 当初検察は別件で服役中の水谷建設社長が「小沢氏に5000万円の贈収賄絡みの献金をした」との証言を得て、それを本筋とする捜査をするために元秘書の石川氏の身柄を拘束するために「陸山会」事件という、他の政治家ならたとえ未記入や期ズレがあったとしても他の国会議員にも多数見られる「訂正」ですむ程度の件で現職国会議員石川氏を逮捕したのだ。小沢氏に関する事件はすべて検察の見込み捜査から端を発しているといっても過言ではないだろう。


 


 しかし報道で周知のように、水谷建設筋は検察が威信をかけて強制捜査にまで踏み切って小沢氏の後援会事務所などへ捜査官が隊列を組んで進む様をテレビカメラで撮影するという捜査情報の漏洩そのものという危険を侵してまで検察情報リークを行ったが、捜査結果はやはりご承知の通り水谷建設絡みの贈収賄での立件はできなかった。そしてたとえ有罪となっても取るに足らない微罪で石川氏を起訴した。


 


 しかし既にご承知の通り政治資金収支報告書が掲載されている官報(平成17年9月30日 号外第223号247ページ最右欄)に「借入金 小澤一郎 400,000,000」とあることから分かるように石川氏は記載していた。なぜ彼が記憶だけであやふやな供述をしたかというと、すでに収支報告書の原本は検察に持ち去られ確かめる術がなかったからだ。そして検察官は借入金として記載しているとは思わず、「収入」の欄を見て記載がないと判断したのだろう。何たるお粗末さだろうか。個人たる「小澤一郎」から政治団体「陸山会」へ貸付けた4億円と、05年の政治団体「陸山会」の代表者「小沢一郎」による銀行借入4億円と個人たる「小澤一郎」への4億円返金との会計処理にどのような犯罪が存在するというのだろうか。


 


 そして「期ズレ」は何度も書いたことだが、購入予定の土地が農地だったため農地法による手続きが終わるまでは売買はできず、従って登記もできなかった。つまり小沢氏の後援会「陸山会」は極めて順法的に、農業委員会に「農地の転用願い」という五条申請を行い、その許可が下りるのを待って登記したのだ。つまり意図的な「期ズレ」はなかったのであって、期ズレにより石川氏たちが共同して取引を意図的に隠蔽しようとしたと勘繰った検察当事者が世間知らずに過ぎなかったということだ。


 


 よって、石川氏に「陸山会」にかかわる政治資金収支報告書に関して犯罪事実は何もない。そして小沢氏が04年10月の「隠蔽した4億円を記載しないとすることを承知していた、と供述しろ」とIC録音に残っている脅し文句も、検察官の無知蒙昧を世間に曝すだけの結果になった。


 第五検審会は石川氏の二度にわたる供述が「小沢氏も承知していた」とすることから小沢氏は関与していたと思われる、としたのだが、それがどれほど大きなまやかしか、小沢氏が起訴されれば法廷で検察当局は赤っ恥をかくことになる。


 


 事ここに到って、それでも石川氏や大久保氏(大久保氏も当初は西松建設の贈収賄事件ーーご記憶にある方もいると思うが「小沢氏が岩手県のダム工事で「天の声」を発した」と公判廷で検察官が得意げに調書を読み上げたが、その西松建設の事件は立件困難として判決を目前にして、悪質にも検察は「訴因変更」を裁判所に申し立て陸山会の政治資金収支報告書の事件に摩り替えている)や池田氏が4億円を隠し、取得した土地をわざわざ期を跨いで処理した、とする検察ストーリーを誰が信じるというのだろうか。


 


 さて、小沢氏のことを「政治とカネ」なるプロパガンダで二年近くも散々貶めた記者やテレビMCやコメンテータ諸氏はどうするのだろうか。そのことにより政局となり稀代の政治家が民主党への政権交代で首相となるべきだったものを引き摺り下ろし、さらには犯罪者であるかのような扱いに終始してきたが、どのような「説明責任」と「ケジメ」をつけるつもりなのだろうか。


 そしてこの国の首相ともあろうお方や政権与党の幹事長ともあろうお方が小沢氏を犯罪者扱いして「離党」や「議員辞職」まで勧めた、という事実をどのようにお考えか、あなた方の口から直接聞きたいものだ。



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