対中・対米への戦略を持たなければならない。

 米国は日本が中国の影響下から脱するのを望んでいる。米国の極東戦略として日本と中国が親密な関係となって米国の支配的地域から日本が外れるのを最も恐れているからだ。


 しかし日本も中国の「膨張主義」がやまない限り、また中国政府が中国共産党一党独裁支配による非民主的政権である限り、用心して付き合わなければならない。いつどのように「約束」を反故にして勝手な振る舞いに及ぶか分からないからだ。尖閣諸島の領土問題化や東シナ海の資源開発問題を見ても分かるように、世界の常識が通用しない気儘な国家だ。


 


 一方で米国はTPPにより日本が関税を撤廃して開かれた市場になるのを望んでいる。その眼目は牛肉と郵貯だろう。米国は日本が今後とも牛肉市場として消費拡大するとみている。そして何よりも郵貯の300兆円を超える「円」を嘗て金融工学とか称してサブプライムローンのような紙屑債権を売りつけて奪い取ろうと画策するだろう。禿鷹の正体を「民主主義」と「人権外交」の衣の下に隠して。


 


 中国と米国がとりわけ性悪な国だといっているのではない。世界はすべてそのような国と国が過酷な戦略を闘わせて鎬を削っているのだ。何も砲弾が飛び交うだけが戦争ではない、世界は経済戦争によって国益を擁護したり奪われて棄損したりしている。日本は明確な戦略も持たず、何かというと国際会議で気前よくお金をばら撒く。そこに明確な戦略があれば良いが、単に金満家が慈善事業の鍋へ国民の税を投げ捨てているようなものだ。


 


 しかし世界の趨勢としてTPPは時期の問題こそあれ実施しなければならない。日本が自由貿易により今後も存立し自由な市場を求めるからには日本も自由な市場に開放しなければならない。それが常識だ。しかしそこに戦略がなければ国内産業は破綻するだけだ。そして記憶に新しいだろうが、米国の小麦に全面的に依存すると米国は小麦を世界戦略物資として自国の要求を押し通す際に取引材料に持ち出すと覚悟しなければならない。「売らないぞ」と脅すことを平気でする。


 


 日本のマスコミはそろそろ真実を報道しなければならない。日本は食料自給率が40%で食糧危機にあるという報道だ。それはカロリーベースでの話で、カロリーベースで自給率を発表しているのは世界では日本と韓国だけだ。消費金額ベースでは日本の自給率は67%となり英国を上回り決して飢餓国家ではない。むしろ生産調整そのものの「減反」政策を実施しているではないか。それは過剰生産だからやっているのだ。消費を上回る生産米を輸出に回そうと思わないのはなぜだろうか。農林省の撒き散らす「日本飢餓説」の嘘に付き合うのは止めようではないか、日本のマスコミたちよ。本当のことを報じて農業が実は世界戦略として十分に競争力を持つ商品を生産している現実こそを報道しよう。日本の農業商品はその品質と安全性から世界で歓迎されている。そうした「攻め」の姿勢を農業に対して持てばTPP実施にも十分に対応できる。


 


 日本にとって中国と米国は用心すべき国家だ。いずれも付き合いの距離感覚を忘れてはならないし、彼らが仕掛けてくる策略をいち早く読んで対応策を世界戦略として日本は持たなければならない。



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