国側が「却下」を求めるとは。

 去年の五月に検察審査会法が改定されて「強制起訴」という強権が付与されてから初めて政治家に強制起訴の議決をした。しかもあらゆる状況から見て「不審」な議決と手続きであることから、小沢氏でなくても検審会議決に異議申し立てをしたい国民は大勢いるものと思われる。


 


 まず9月14日に議決をなしてから20日も経過した後に告示したのはなぜか。なぜ検審会委員の平均年齢が(公表されたのは平均年齢と男女の数だけだが)二転三転したのか。そして一回目の議決した委員も二回目の委員もすべて入れ替わったはずなのに限りなく34.27歳に近いのか。それは偶然なのか、あるいは作為的にそうした年齢構成の人選をしたのか。


 そして議決に到る審議経過にいつから検察の不起訴判断にない4億円の出所が2回目の検審会審議で議論の俎上に上がったのか。


 


 他にも二回目の検審会では義務付けられている補助員たる弁護士が選任されたのが9月7日とされているが、議決されるまでの一週間に2000ページに及ぶ検察資料を検審会委員は詳細に読み込み、事実関係をしっかりと把握して議決に到るに期ズレだけでは足らないとして4億円まで付け加えるに到った議論を委員会で戦わす時間的余裕があったとすれば彼らは神か鬼神としか思えない。不謹慎を顧みずに言わせていただけば、検審会委員は何も審査しなかったのではないかとすら思われる。その疑いを晴らすには議事録を提出するしかないが、検審会で記録を義務付けている議事録が予算委員会での川内国会議員の質疑から存在しないのではないかという疑義が生じている。これは重大な検審会法違反といわざるを得ない。つまり以上挙げた何点かの一項目でも該当すれば検審会議決は無効となるべきと思慮する。人を強制起訴する強大な権限の実施はそれほどに慎重を期さなければならないものだ。法律の専門家なら当然百も承知のことが、なぜか看過されて「国による」却下を求める意見書が提出されたという。


 


 大学の法学部で時折開催される模擬裁判でもこれほど杜撰な起訴状なら、裁判所は受け取りを却下する類のものだ。それを東京地方裁判所は受け付けて指定弁護士の選定作業を弁護士会へ命じたようだ。どうやら日本の司法当局はどうしても小沢氏を法廷へ引き摺り出して、向こう数年間は法廷闘争に小沢氏を縛り付けて政治家として事実上永田町から排除しようとしているようだ。以前からこのブログで書いてきたように、小沢氏のシロは明々白々だが「民主的な手続き」によると見せかけた検察とマスコミの強制捜査と大々的な報道によって小沢氏を疑惑まみれにしてしまった。リンチそのものの総仕上げに用いられたのがこの杜撰極まりない検審会議決だ。


 


 日本国民は平成の世に演じられている小沢氏に対する謀略の目撃者となっている。全国紙とテレビによる捏造報道がいかに凄まじいものか、国民の大多数が「小沢氏に疑惑を感じている」とする世論調査結果から明らかだろう。


 日本国民はこの一年有余、小沢氏に対してさも確定した疑惑であるかのように報道し続けた全国紙やテレビに登場したMCやコメンテータの面々がどのような記事を書き、どのようなことを喋ってきたか決して忘れないことだ。


 そうした疑惑報道の尻馬に乗って小沢氏を悪し様に批判した国会議員の面々の名も忘れないことだ。自ら明らかになっている資料を当たって真偽を確認しようともしない彼らに、この国を託すわけにはいかない。


 


 疑惑とされている小沢氏の一件は簡明そのものだ。04,05年の「陸山会」収支報告書と疑惑とされている土地の登記簿謄本を詳細に検討すればたちまち分かる。そこには疑惑の欠片もない。小沢氏は明々白々たるシロだ。「無実なら堂々と裁判で争えば良い」とのたまう馬鹿がいる。無実なら起訴するのが間違っているのだ。国はこのような重大な冤罪の可能性の高い事件に関して却下の申請をするのではなく、検審会の議決そのものをまずは俎上に上げて審査すべきだと考えるべきだ。刑事訴訟は刑事裁判の中で争え、と能天気な仙谷氏は記者会見で言ったようだが、検審会がそれほどのものなのか。検察判断を上回るもので被疑者には一切発言の機会が与えられないで一方的に重大な議決を受け容れるしかないとすれば中世ヨーロッパの魔女狩りさながらの人民裁判といわざるを得ない。仰天動地、罰刑主義がひっくり返り、「疑わしきは罰せず」とした法の精神がひっくり返った。この国はもはや法治国家とはいえない。



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