この期に及んで。

 産経新聞は菅氏優勢で代表選後も菅首相が続投することになると報じていたのではなかっただろうか。それがこの期に及んで411人の国会議員に「国家の危機を考えた」投票をと呼びかける論評を掲載した。それは何を意味するのだろうか。


 


 菅氏が優勢で勝ちを収めつつあるのなら、何も411人の国会議員に「小沢氏に投票するな」といわんばかりの論評を書く必要はないはずだ。「公正な代表選が行われるのを望む」程度の論評を掲げて永田町を大所から眺めていれば良いはずだ。しかし実際はそうはいかない状態になっているのではないだろう。正直に報道した方が良いのではないだろうか。


 


 「国家の危機」を招いたのは菅氏だ。菅氏の世界為替相場の動きが国内経済・景気に及ぼす深刻な影響に思い至らず初期対応を全くしなかった。次にエコカー減税が終わったが、その後継景気対策を打たず自動車産業界の減産を招いていることだ。


 対外的には外交を鳩山氏に丸投げして日本の首相として明確なメッセージを世界に発信していないことだ。そのような人物を米二紙も見放してこの時期に「小沢氏有望」を報じた。日本の大マスコミが足並みを揃えて「菅氏優勢」を流し続けている状況でいるにも拘らずにだ。


 


 そして産経新聞までもバカげた「主張」を掲載することによってはからずも民主党代表選でどちらが優勢か、ひた隠しにしていた事実を暴露した。余人が指摘する必要もないだろう、読者一人一人が冷静に記事を一読されれば産経が411人の議員にどちらに投票して欲しいと念じているか明らかだろう。


 つまりそういうことは何を意味するのか。投票して欲しいと誘導している候補が劣勢だと暴露しているのだ。


 


 今回の代表選にはある意味で重大な関心を寄せている。それは報道がどのように代表選に関与したか、検証可能だからだ。


 地方議員票は地方議員の氏名を公表しているから電話をかけまくればある程度情勢把握はできるだろう。しかし党員票は党員名簿が非公開だから把握できないはずだ。それをほぼ7対3の割合で菅氏優勢と報じている。国会議員票はおしなべて小沢氏170に対して菅氏160と伯仲していて中間派70程度の取り込みに鎬を削っている、と報じている。それが事実なのか。やがて14日に実施される民主党代表選の開票で明らかになる。


 


 しかし、大マスコミによる代表選の「菅氏優勢」報道も憶測だから一定の誤差があると理解しなければならない。だが、それはあくまでも誤差の範囲内でのことだ。結果が大きく異なっていたら日本の大マスコミは各社揃って何を画策していたのか、国民の前に明らかにしなければならない。そうした「説明責任」を大マスコミは負うことになるのだ。


 


 米国を代表する二紙がきしくも「小沢氏有望」を報じた。米国は普天間基地移設問題で従順な菅氏続投を望み、手強い交渉相手になるだろう小沢氏が代表になるのを怖れている。米国にはかつて田中角栄氏が米国に対して日本の自立を目指すために中国にも軸足を置こうとした記憶がある。師と同じく小沢氏も中国と米国両国に軸足を置いた日本にしていこうとする意図が見えているのだろう。それを米国は怖れている。米国にとって日本はいつまでも便利な財布であり不沈空母であり続けるのが良いことなのだ。$を野放図にタレ流しても円が吸収してくれて、国際通貨金融は危機に陥らないで済んでいる。その代わり日本国内企業は円高に苦しむが、米国人が苦しむことではないから平気なのだ。


 


 産経は誰のために存在しているのか。産経はこの国をどうしようとしているのか。産経は日本国民に何を求めているのか。そして産経は報道機関としての矜持を持ち続けているのか、を問いたい。



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