余りに軽き首相の言葉。

  選挙とは潜水を競い合うようなものだ。どのような情勢か潜っている間は分からないし、だんだん息が苦しくなってくる。十分に泳いだから勝ったつもりになって水面に首を上げた途端、自分の潜行距離は終わってしまう。そこで相手はまだ潜行したまま距離を稼いでいると負けを覚悟しなければならない。


 


 菅氏は潜行している息が苦しくなって水面に首を出した。一年生議員相手に人事で軽口を叩き、取材する記者たちに上から目線で声をかける。本人は必死で自身の不安な気持ちを紛らわそうとしているのだろうが、それは敏感に周囲の者へ伝わるものだ。少しでも票を上積みしようと真剣に努力している者には失礼な話だし、取材している記者にも候補者の追い詰められた心理は紙のように透けて見えるものだ。


 


 選挙は最後の一分一秒まで気を抜いてはいけない。坂本竜馬の言葉ではないが「汚泥の中で斬られて死ぬにしても、前のめりに死にたい」という覚悟が必要なのだ。選挙は一回限りではない、政治家である限りついて回る。


 周囲の者は辛く苦しい選挙の中で候補者がいかに振る舞うかを見ている。究極の心理状態の時にこそ、人は地金を現わす。それを見て人は候補者を判断するのだ。


 


 小沢氏は最後の瞬間まで一票でも上積みしようと努力する人なのだろう。投票が終わるまで決して気を抜かない真面目な気質なのに違いない。浮わっついた市民運動家出の軽い宰相とはわけが違う。記事では菅氏が優勢で小沢氏が劣勢だと描きたいのだろうが、仔細に二人の状況を思い浮かべると、菅氏は水面に顔を上げてアップアップしているようにしか思えない。


 


 一年生議員に活躍する場を与えてやると言っておもね、女性議員には閣僚の半数以上が女性の国があるとへつらう。よほどのバカでない限りそうした甘言を額面通りに受け止めて喜ぶ者はいない。まともな常識人なら媚び諂いで舞い上がることはなく、自分自身を正当に評価してもらいたいと願うものだ。一番の模範解答を提示すれば「一緒に国民のためにこの国を良くしていこう」と候補者らしく最後までお願いすることだ。


 


 菅氏は破れたり。間違いなくそう読者に思わせる記事ではある。



このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。