ついに最終決戦になった。

 長く不毛な、この国にとって不幸なプロパガンダによる小沢氏への攻撃も、いよいよ最終決戦の段階に入った。検察と司法当局はあえて第五検審会の議決を既に決まっていた民主党代表選の日程の後へ先送りして、小沢氏に「疑惑」なるものの最終判断をしないで圧力をかける戦術に出ていた。


 


 本来なら一回目の議決をだした第五検審会の委員が半分でも残っている時期に二回目も出すのが一回目の「起訴相当」をうけて再び検察が「不起訴」判断した事実認定と検察判断を検証して二回目の議決をするのが判断の継続性の担保から必要だったはずだ。しかし検察と司法当局は日程的に先送りして半数改選の任期が切れ、さらに残り半数も任期が切れるのを待って審議入りした。


 


 つまり二度審議を行うとした検審会審議を、一回目の審議を二回繰り返すことにしたのだ。これほど恣意的な日程管理はないだろう。しかも一回目は必要とされていない法律専門家の補助員を検審会につけて委員に法解釈の助言を与えている。その専門家と称する者は元検事の弁護士で、いわば裁判所で検察から赴いた検事による検察判断の経緯の説明を受け、補助員と称する検察の身内だった弁護士の助言を得て検察審査委員が結論を出したのだ。それが果たして本当の意味で「市民」の判断だったといえるだろうか。


 


 しかも検審会委員11人のメンバーの事前にせよ事後にせよ公表もなく、審議経過も議決後の記者会見もない。全くの秘匿された人たちによる密室で行われる審議は裁判委員制度よりも非民主的なもので到底容認できるものではない。


 民主的というからには一般国民による検証手段が準備され、誰でも審議経過が検証できなければならない。そうでなければ検審会制度そのものを疑わざるを得ないだろう。


 


 そうした根本的な疑問も呈さず、検審会がまだ未議決なのを以て代表選立候補者として小沢氏が「不適格」との烙印を押すのが果たして妥当なのだろうか。既に「法と証拠」に基づく検察による小沢氏への「疑惑」に関する判断は三回も示され、すべて不起訴とされている。


 


 本来の検審会なら検審会の「起訴相当」に対する検察判断を検討して同じ委員が、少なくとも半数は同じ委員が在任中に二回目の判断を下すべきだった。そこに何ら恣意的なものも感じないジャーナリストとはいかに問題意識の低い人物かと見識を疑う。


 


 推定無罪とは起訴された者でも有罪判決が確定するまでは無罪として基本的人権に不利益を与えてはならないというものだ。小沢氏は起訴すらされていない。起訴される可能性があるから代表選に出るべきではないというのなら、それこそ基本的人権に対する根本的な侵害ではないだろうか。


 


 予断を以て人の活動を制限して恥じないというのは法治国家ではない。法律に従って人は活動し判断されるべきであって、人の思惑で人が制約を受けるのは「人治国家」以外の何ものでもない。


 


 小沢氏と菅氏とのいずれが勝つにせよ、純然たる政策で争われるべきだ。人物に対する好悪の念で判断するのは井戸端会議程度だといえば世間のご婦人から顰蹙を買うだろうか。いやしくもこの国を代表するような大マスコミの新聞社の記者が書くような程度ではないはずだ。思い込みではなく、広い見地からこの国の政治状況を冷静に見つめなければならないだろう。


 


 小沢氏に代表選に出る資格があるのか、と疑問を呈する人も為にする議論で合理的根拠を見いだせない。民主党規約に何と書いてあるか、代表選への立候補資格について読み返してみることだ。特に民主党静岡県連会長の愚かな私憤は理解できないでもないが、国会議員として法律や決まりに従う、といった公共性に関して疑問を感じざるを得ない。


 


 さらに三人も代わるのなら衆議院総選挙すべきだ、というのも理解しがたい。それなら二人までは良かったのかという理屈になる。衆議院選挙を代表として戦った人が代わるのなら総選挙すべきだ、というのならそれ相応の合理性を持つだろう。二人は良いが三人はダメだ、というのは論外だ。しかも今回の代表選は民主党の民主的な党運営で予定されていたもので、政局絡みの「…降ろし」という生臭いモノとは別物だ。公明正大な任期切れによる改選という公党として真っ当な手続きに過ぎない。それを指して三人も代わるのなら解散総選挙だ、と叫ぶ人の頭脳はお粗末な論理構成でしかないと言わざるを得ないだろう。



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