それほど無駄なことだったのか。

 金元死刑囚を日本へ招致して拉致被害者家族会のメンバーと面会させたことが国会で取り上げられ、テレビでも「そこまでする必要があったのか」「無駄ではなかったか」とする論調一色なのに対して一言申し上げておかなければならない。


 


 つい最近まで北朝鮮は「金元死刑囚」の存在を認めず、韓国の捏造だと批判していた。そもそも北朝鮮は大韓航空機爆破事件も北朝鮮の与り知らぬことで韓国のでっち上げだ、とする態度で終始していた。そのためには金元死刑囚の存在は何とも不都合なのだ。


 この度、日本の招致に応じて韓国が日本へ出したことにより世界へ大きく報じられ金元死刑囚の存在を韓国の捏造と強弁することが出来なくなり「裏切り者」と表現した。つまり北の諜報員だったことを認めたのだ。


 


 この成果は大きい。元々拉致被害者は存在しないと北朝鮮は言っていた。それが十数人いるが生存者は五人だけで八人は死亡したと発表した。それだけでも北による拉致を認めたのだから大きな前進だが、本当は何百人も拉致被害者がいてその多くは生存していると思われている。北の情報管制によりなかなか漏れてこない北の政府当局の考え方が金元死刑囚を日本へ招致したことにより少し分かってきた。


 


 自民党議員が口を極めて「ヘリコプターの遊覧飛行」を無駄遣いと非難し、それに中井大臣が「観光も必要だと韓国からいわれていた」と回答したが、それは余りに表面的だ。


 韓国内では決してヘリによる遊覧飛行はしないだろう。なぜなら持ち運びの容易なロケットランチャーで簡単に撃ち落せるからだ。それを日本国内で実施した意義は大きい。警察のみならず自衛隊もヘリ遊覧が無事に終わるまで生きた心地はしなかっただろう。だが、金元死刑囚は無事に帰国した。日本国内に北の工作員によるそうした危険はないと証明したことになる。


 


 物事は表面だけを見てはいけない。深層で何が行われているか、ニュースは注意深くウオッチし、些細な文言の変化も見逃さないことだ。金元死刑囚を韓国の捏造だと北朝鮮はもはや言えなくなった。新たな段階へ進んだことになる。それでも平沢氏や日本のマスコミは無駄遣いだというのだろうか。



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