それこそ民主的に。

 民主党が政権交代で国民から一番望まれたのは官僚制内閣の打破ではなかっただろうか。この国は長く続いた自民党政権下で官僚の官僚による官僚のための国家となり、無駄遣いや非効率性が問題となり「母屋では御粥を啜っているのに、離れではすき焼をしている」と言われる状態になって久しい。


 


 政権交代により党務を小沢氏が一手に掌握して陳情が各省庁の官僚へ直接行くのを禁じた。政府も財務省主導から政治家が主導権を持つべく「国家戦略局」を作って政権が為すべき政策を政府で作って行こうとした。当初はそのようにして船出した民主党政権だったが、検察にツートップが狙い撃ちされてたちまち支持率を落としてしまった。さらに決定的にしたのが普天間移設問題だった。


 


 基地問題は沖縄に巨大な利権を作り上げてしまった。ここ十年の間、基地問題が一向に解決しないにもかかわらず、毎年100億円もの補助金を沖縄の各市町村にばら撒いたのだ。表面では沖縄の負担を軽減すべきといいつつ、裏では一日でも長く利権構造が続くように画策している政治家がいる。そのことは元防衛事務次官の守屋氏の近著に詳しく載っている。


 


 鳩山氏はそうした土建屋と結びついた利権構造を知らないで沖縄の基地問題に手を突っ込み、利権屋から手痛い反撃を受けたようだ。実のところ辺野古沖移設は米軍から提案したものではなく、日本側と沖縄から言い出したことのようだ。


 そうした黒いベールに包まれた部分こそ大マスコミは追及して国民の目の前に明らかにすべきなのだが、鳩山氏が基地移設問題で二進も三進もいかない間、常に「県外移設」を約束したではないか、と鳩山氏を非難し続けるだけだった。そして今は問題が何も解決されていないにもかかわらずほとんど触れられることはない。いかに恣意的な報道がなされているか明白だろう。


 


 誰が何と言おうと辺野古沖移設は日本が法治国家である限り不可能だ。なぜなら沖縄県議会が全会一致で辺野古沖移設の日米合意に反対する政府への意見書を決議をしたからだ。つまり海を埋め立てるには「公有水面埋立法」により当該自治体の承認が必要で、沖縄県知事が議会に諮って承認決議をしてもらわなければ国といえども勝手に埋め立てることはできない。


 


 再度仕切り直して、政府は普天間基地移設問題に関する「日米合意」を見直すしかないだろう。そして国内政治でも党務をすべて幹事長室で仕切る仕組みにして、族議員の跳梁跋扈や官僚への権力集中を排除しなければならない。政調会制度は部会と称する族議員が省庁予算に手を突っ込む悪しき制度だということは自民党政権下で実証済みだ。それを復活させて菅氏は全員参加型の体制にしたと胸を張っているが、彼がやっているのは仙谷氏と官僚に丸投げの政府ではないだろうか。


 


 原価意識と経営意識の希薄な官僚に政治を丸投げしていては碌なことにならない。日本だけでなく、世界が困難な状況にある現在、日本を官僚と偏った歴史観を持つ仙谷氏に任せるのが良いのか、国民は真剣に考えなければならない。


 幸いにして向こう三年間は国政選挙はない。政治家が人気取り政策に走る必要はなく、国家と国民の為にじっくりと政治に取り組める状況だ。民主党は小さなコップの中の争いをすべきでなく、国家と国民のために適切な人を選ぶ代表選にすべきだろう。



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