地球資源の争奪戦は新たな覇権主義の温床だ。

 世界各地で資源国へ先進国がレアメタルなどの採掘利権確保を目指して熾烈な争奪戦を展開している。控えめでガツガツしない日本人堅気からこれまで出遅れていた日本もやっと本気で争奪戦に参加しはじめたようだ。しかし中国の徹底した資源囲い込みともいうべき掘削利権確保の動きには周回遅れの感がある。


 


 しかし先進諸国が国運をかけて産業の死命を制するレアメタルなどの争奪戦を世界各地で繰り広げるのは異様だ。ギブアンド・テークの関係で、かつての植民地主義とは異なるものの、今後は資源確保できた国とできなかった国とで産業構造に決定的な違いが出てくることも予測され、国運を賭けるのも頷けなくない。


 


 だが世界で数か国に偏在するレアメタルを多くの国が争奪し合えば市場価格が高騰するのが市場価格というものだが、それが資源国にとって良いことかというと必ずしもそうではない。産油国がオイルマネーで潤い砂漠に瀟洒な都市が出現している様をテレビなどで目にするが、一般庶民の暮らしを伝える報道にはあまりお目にかからない。そうしたオイルマネー漬けになった国々すべての国民が豊かになっているわけではなく、ドバイで投資会社が破綻して600億ドルもの焦げ付きが世界を震撼とさせたのもつい最近のことです。


 


 日本も資源争奪戦に参戦して鎬を削る一方で、世界の基礎素材となる食料や石油やレアメタルなど過度な獲得競争を制限する国際協定を結ぶべく国連に提案してはどうかと思う。後進国が産業を起こして新たに参画しようにも国際的に資源の囲い込みが終わっていて確保できないレアメタルがあるため産業化できないというのでは後進国がテイクオフする機会を奪うことになりかねない。そして決定的なのは投資ファンドが恣意的に国際相場を乱高下させて利鞘を稼ぐ動きに出かねないことだ。それを小麦などの食料でやられると直接人類の命にかかわることになる。


 


 過度な動きに対しては何らかの国際協調という規制装置が働くようなシステムを作らなければ、狭くなった地球が人類にとって暮らしにくくなっては元も子もない。人類を富ますための産業であるなら、各国の英知を以て協調すべき段階に来ていると思われるのだが。



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