消費税10%を言う前にやるべきことがあるはずだ。
国や地方自治体の財政が逼迫しているからといって増税を提唱するのは税の使い道をチェックすべき政治家本来の役割からいえば職務放棄と言わざるを得ない。彼らがやるべきはまず公務員の人件費削減であり、そのために人員削減が必要だというのなら公務員の解雇を可能にするために労働三権の付与も辞さない。国民の公務員を見る目は実に厳しくなっていると認識しなければならないだろう。なまじ自治労との選挙協力関係から民主党が公務員に甘い顔をすれば、民主党は国民の支持を失うと覚悟すべきだ。
そして国会議員や地方議員は自らに厳しくしなければならないだろう。定数削減は当然のことだが、高額な報酬の削減もしなければならない。特に都道府県議会議員の常軌を逸した報酬は庶民感覚とは懸け離れたものと言わざるを得ない。それでいて議員として碌な働きをしていないと断じざるを得ないのが実態だ。
国会議員も海外視察旅行をして国民に視察目的とその報告が詳細にされたことを知らない。単なる視察なら本人の負担で実施してもらいたい。
安易な増税論議はすべての努力を無に帰する。歳出削減努力を何をしなくても歳入が増えるのなら、官僚は新たな使い道を考えるだけだ。かつて消費税を導入した折にも「福祉」に使途を限定する議論はなかっただろうか。当初の議論はいつしか忘れられ、景気により税収額が余り変動しない便利な税として消費税増税を官僚は歓迎する。しかし事業仕分けにも拘らず無駄を絞り出す努力を完璧に果たしたと国民は誰も思っていない。
さて事業仕分けもさることながら、すべての事業単価を国民に示して戴きたいものだ。たとえば橋梁は高価との既成概念があるがそれが実態として幾らかかり、その原因は何なのか。数年にしてオーバーレイしなければならないアスファルト舗装の㎡当たり単価がいくらで、その積算根拠は何なのか。特養会計は幾らで一人当たり幾ら掛っているのか、あらゆる事業に関して国民に示して戴きたい。それが妥当かどうかは国民が判断する。議員はそうした資料を提示するように官僚に要求して戴きたい。それすらできないのなら、そうした議員は必要ない。国民が議員を仕分ける選挙が間もなくある。