日本は米国の傘の下にあるのか。

  日米が沖縄の一つの基地の移転先、あるいは移転せずに居座るのか、を巡って交渉としているが、すべての議論が一方的に米軍が日本に駐留し続けなければならない、との前提に立っているのが気になる。その一方で、米国内には「日本は安保タダ乗りで、軍備に使わないで済んだ金で高度経済成長をなし得たではないか。もっと米軍の軍費を肩代わりすべきだ」との議論があるという。


 日本の軍事予算、いまは防衛予算と呼称を変えているが、は世界的に見て少ない方ではない。軍事大国の世界戦略国家には及ばないが、それに近い金額を防衛に使っている。


 


 米国の核の傘の下で守ってやっている、と傲慢な態度を米国がとるのなら、日本の核武装するぞ、と試験に議論を始めたらよい。なにもしないから米国は日本を甘く見ているのだ。さらに米国は日本を属国のように扱っているが、それなら不当に占拠されている北方領土について露国に「返してやれよ」と助言の半句たりともしてくれただろうか。いや、北方領土の問題はポツダム宣言第八条にある通り連合国が定める(国際法上当事国が関与しない取り決めは無効だ)としているが、その戦勝国が一方的に押し付けた取り決めした当時、露国は日本と不可侵条約を結んでいた。それを8/8に一方的に破棄し、8/10にポツダム宣言受け入れを表明した後にも、8/15に終戦となった後にも、9/2に調印した後にも、日本国土を侵略し続けたのは露国だ。


 


 さらにはあらゆる国際法に照らしても許されざる蛮行・数十万人ものシベリア抑留を行い、日本国民を使役し数年にわたって強制労働を課した。


 その蛮行が行われている間、米国は何をしていたのか。そして現在、北方領土の問題に戦勝国の代表として日本を支配していた米国は何を行ったのか。現在も国連の戦勝国条項を廃棄しようとしないのはなぜか。つまり常に日本と日本国民を抑圧して再び頭を擡げないようにしておくためだ。その一環として日本国民骨抜きの装置として「第9条」を米国は憲法に埋め込んだ。世界に類例を見ない平和憲法だと有り難がっている日本国民が6割もいるということだから、米国の目論見は見事に成功している。


 


 国内の米軍基地は何に使われているのか。日本を守るために使われ、日本と日本国民のために戦って米軍兵士が一人でも戦死したのなら米軍基地の有用性を認めよう。しかしそうでなければ米軍基地があるのは彼らの誇大妄想の産物、冷戦構造下の勢力陣取り合戦のお遊びに付き合わされただけだ。実際に東西勢力が衝突したベトナム戦争当時米国は「ドミノ理論」なるもので戦争を正当化していた。しかしベトナム戦争で米国が敗退しても隣接諸国は共産化しなかった。米国の理屈は米国のためにこそある強力な証拠だ。


 


 沖縄で普天間基地移設を求める9万人集会は米国に脅威を与えているという。これまで大人しいと思っていた日本国民が基地移設を要求して結集した。それが鳩山首相に向けられているうちはまだ良いが、米国に向けられた時、米国の世界戦略の一環に大きな障害になる。


 沖縄にいるのは鳩山軍ではない。米軍だ。日本を守ると称している米軍だ。しかし戦後六十余年、日本を守るために一人たりとも戦死していない米軍だ。


 


 日本は誰が守るのか。世界の日本以外のどの国の国民に聞いても日本人だと答える。それが至極まっとうな常識だ。いつまでも敗戦のショックと米国の仕掛けた「第9条」を引きずらず、ここらでこの国の将来を世界の中の日本として考えようではないか。



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