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旧統一教会問題はまだ何も終わっていない。

< 安倍晋三元首相銃撃事件から1年を前に「岸田首相を呼びつけろ」とまで言い放つ、旧統一教会総裁・韓鶴子とは何者か? 日本の植民地支配を先祖解怨とし、多額の献金を巻き上げる  安倍晋三元首相銃撃事件から1年が経過した。事件を機に再び注目された旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の解散命令請求に向け、国が質問権の行使をする中で、また教団側から“とんでもない”動きが。  教団の韓鶴子総裁(80)が日本の幹部らおよそ1,200人を前に、「岸田総理や日本の政治家を韓国に呼びつけて、教育を受けさせなさい」と発言していたことが分かった。BS-TBSの報道番組「報道1930」が独自に入手した、韓鶴子氏のものとされる音声によると、韓氏は、 「日本は特に第二次世界大戦の戦犯国だということ。原罪の国なのよ。ならば賠償すべきでしょう、被害を与えた国に」  と発言。音声は、6月28日、教団が「聖地」と呼ぶ韓国の清平で日本の幹部らに語ったとされる。ほか、音声では、  韓鶴子氏のものとされる音声 「今の日本の政治家たちは統一教会に対して、何たる仕打ちなの。家庭連合を追い詰めているじゃない。政治家たち、岸田を、ここに呼びつけて、教育を受けさせなさい。分かってるわね」  信者 「はい」  韓鶴子氏のものとされる音声 「私を“独生女”(救世主)だと理解できない罪は許さないと言ったのに、その道に向かっている日本の政治はどうなると思う」  信者 「滅びます」  韓鶴子氏のものとされる音声 「滅びるしかないわよね」  などと、韓氏を「救世主」として認めない日本は滅びるしかないともする。  安倍元首相銃撃事件を機に再び“あぶり出された”旧統一教会の問題は、メディア上では、「宗教問題」として矮小化されてしまった。  ことの本質は、宗教問題というよりも政治問題だ。旧統一教会は、「国際勝共連合」という関連団体をソフトウェアに、自民党と結着、日本の“戦後体制”というハードウェアに深くしみ込む。しかしメディアは、その実情を深く見ようとはしない。 韓鶴子総裁とは?教団創始者・文鮮明との間に14人の子どもをもうける 「岸田をここに呼びつけ教育を受けさせなさい」とまで言い放った韓鶴子氏とはどのような人物なのだろうか。  韓氏は、公式発表によれば1943年、日本統治時代の平安南道安州(現在の北朝鮮)に生まれる。クリスチャンであっ

政治家本人の「偶像化」行動は厳に慎むべきだ。

< ロシア海軍総司令官が北京を訪問  中国国防省は、7月3日、「北京を訪問しているロシア海軍のニコライ・エフメノフ総司令官が中国の李尚福国務委員兼国防相と会談した」と発表した。  この中で、李国防相は、今年3月に習近平国家主席がロシアを公式訪問したことに触れ、「両首脳が共同で中露関係の発展とさまざまな分野で協力するための青写真を描いた」として、「両首脳の戦略的指導の下、両軍間の交流と協力は着実に発展してきた。 双方の努力により両軍の関係は深まり、強固となり続け、絶えず新たな進歩を遂げ、新しいレベルに到達するものと信じる」、と述べた。  これに対して、ロシア海軍のエフメノフ総司令官は、「両国の海軍のすべてのレベルで交流を拡大し続け、共同海上演習や共同パトロールなど、重要な演習と訓練活動を共同で組織し、両国と両軍の関係を絶えず新たな高みに押し上げていきたい」、と応じた。  統合幕僚監部 報道発表資料(7/4)より  6月9日の拙稿『「実態は老朽化した小型艦ばかり」の《自称・大規模演習中》のロシア太平洋艦隊…しかし逆に強化される「中・露合同軍の脅威」に注視が必要な理由』でも触れたように、最近の中・露海軍は、共同演習や海軍艦艇による共同パトロールだけではなく、中・露空軍による戦略爆撃機の共同パトロールに際しても中国海軍の戦闘艦艇が洋上から支援活動を実施するなど、その戦術的対応が深化してきている。  これは、本年1月17日の拙稿『ロシアはなぜ、ウクライナで軍備がひっ迫しているのに東シナ海での中露共同演習に艦隊を派遣したのか?』で述べたとおり、ロシアによるウクライナ侵攻で緒戦において失敗を重ね、この戦いにロシア全軍から応援が必要となったことから極東方面の防衛が手薄となり、次第に中国を頼り始めたことがきっかけとなって、中・露海軍の連携が特に顕著になってきたことによる。  そして、現在もこの関係を象徴するような中・露海軍艦艇の動向が顕在化している。 ロシア海軍は「台湾有事を座視しない」…?  防衛省統合幕僚監部の発表によると、5月12日に対馬海峡を南西進して東シナ海へ進出したロシア海軍(太平洋艦隊所属)のステレグシチー級フリゲート2隻「ソヴェルシェンヌイ:FF-333,グロームキー:FF-335/2,200トン級」が、尖閣諸島西方から与那国島と西表島(沖縄県)との間の海域を南下して

ポスト・プーチンの指導者は誰か。

<ウラジーミル・プーチン大統領率いるロシア軍が、ウクライナ軍の大規模反撃を食い止めるため、占拠するウクライナ南部ザポロジエ原発に爆発物を設置したとの情報が流れている。欧州最大級の同原発が爆発すれば、「チェルノブイリ原発事故の10倍の被害」との指摘もある。「ワグネルの乱」を受け、プーチン氏の求心力低下や、ロシア軍の内部分裂が顕在化してきた。ジャーナリストの長谷川幸洋氏は、敗色濃厚となってきたロシアの将来に迫った。「中国の子分」か、「国家大分裂」か…。わが国にとっては北方領土奪還の歴史的チャンスもあり得そうだ。 ◇  米国のウィリアム・バーンズ中央情報局(CIA)長官が1日、英国で講演し、「ロシアは中国の経済的植民地になる」と語った。欧米の識者たちの間では、ほぼ一致した見解だったが、CIA長官が語った点に説得力がある。  一方、かつてのソ連崩壊のように、「ロシアが再び、多くの共和国に大分裂する」というシナリオもささやかれている。いずれにせよ、目先の戦況はともかく、中長期的に見れば、ロシアが「敗北国家」に転落するのは避けられない。 ロシアの将来はどうなるのか。整理しよう。  バーンズ長官は「ロシアが中国の弟分、経済的植民地になるのはプーチンの失敗の結果だ」「戦争に対する不満は、CIAに100年に1度のチャンスをもたらした。われわれは、これを無駄にしない」などと語った。スパイをリクルートする絶好のチャンスとみているのだ。長官は4月の講演でも同様に語っていた。  ロシアは西側の経済制裁を受けて、原油や天然ガスの輸出先を中国に振り向けざるを得なくなった。中国は足元をみて昨年9月、代金支払いの半分を人民元建てにした。その結果、「ロシア経済の人民元化」が急速に進んでいる。  中国と国境を接するシベリアでは、ロシア女性が中国人ビジネスマンと結婚する例が相次いでいる。相手を紹介する結婚相談所は大繁盛だ。若い女性たちは、中国とロシアのどちらが将来有望なのかを、肌で理解しているのだ。  ロシアの若者は、戦争で死傷者が続出しているのに加えて、徴兵逃れで100万人単位で国外に脱出した。半導体など西側の先端部品は、制裁で入手できない。これでは、中国に頼る以外に経済が回っていかないのは自明である。  ロシアが中国の風下に立っているのは、3月の中露首脳会談で、プーチン大統領が、習近平総書記(国家主席

性同一障害という社会秩序への挑戦。

<戸籍上は男性で、女性として生きる50代の性同一性障害の経済産業省職員が、女性トイレの利用を不当に制限されたとして国に処遇改善を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(今崎幸彦裁判長)は11日、経産省の利用制限を認めない判決を言い渡した。最高裁が性的少数者の職場環境に判断を示すのは初めて。官民の職場環境の整備に影響を与える可能性がある。  原告は、経産省に制限を撤廃させるため人事院に救済を求めたが、人事院は2015年に経産省の対応に問題はないとする判定を出した。1審・東京地裁判決(19年12月)は経産省の制限は不合理で、人事院の判定を違法と認め、原告勝訴とした。これに対し、2審・東京高裁判決(21年5月)は経産省の制限は合理的だとして人事院の判定を適法と判断し、原告側敗訴とした。  小法廷は2審判決を破棄し、原告側を逆転勝訴とした。1審判決が確定するため人事院の判定は取り消され、経産省は制限の見直しを迫られる。  原告は男性として入省後の1999年に性同一性障害と診断された。ホルモン治療を受けて女性として生活しているが、性別変更する上で必要な性別適合手術を健康上の理由で受けられず、戸籍は男性のままだ。09年に女性として勤務したいと上司に伝え、化粧や服装、更衣室の利用は認められたものの、女性トイレは執務室から2階以上離れたフロアのものを使うよう制限された>(以上「毎日新聞」より引用)  「 経産省トイレ利用制限訴訟 性同一性障害の原告逆転勝訴 最高裁 」という見出しに驚きを禁じ得ない。件の人物は男性として経産省に入省し、性同一障害からホルモン治療を受けて女性として生活しているようだが、性別変更する上で必要な性別適合手術を健康上の理由で受けられず、戸籍は男性のままだという。  つまり具体的に男性器は保持したままで、女性としての外形をホルモン治療で獲得しているケースだと思われる。その場合はトイレを使用する際に男性用か女性用かで問題が起きるのは当然予想される。本人にとっては性別は女性だから女性用を使用したいのだろうが、男性器のある人物が女性用のトイレに入るのは女性からすれば抵抗があるのは当然だろう。  性に拘らない制服、ということで全国各地の中学校・高校の制服が殊更性差のない制服になっているようだ。しかし、それもまたどうかと首を傾げる。性差別は断じて排除すべきだが、「性差」

利によって結びついた連中は損によって離れ離れになる。

<米国のバイデン大統領が主導し、日米など14カ国が参加する新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」をめぐり、「対中国」に向けた参加国間の結束が揺らぎかねない状況に直面している。東南アジアが狙う対米輸出拡大という恩恵がない上、厳しいルールを守らなくてはならないとされることが背景にある。  貿易自由化というメリットを提示できず、内向き志向に陥る米国の国力低下は著しい。このままではグローバルサウスと呼ばれる東南アジアなどが中国になびく可能性があり、IPEFは曲がり角を迎えることになる。 そもそも「IPEF」とは何か?  IPEFの狙いは、巨大市場を武器に相手国の製品輸入を制限するといった、経済的威圧を行う中国への包囲網を敷くことだ。2017年、自国第一主義を掲げたトランプ氏が大統領在任中に環太平洋経済連携協定(TPP)を離脱して以降、米国不在の間隙を縫うかのごとく、中国はインフラ整備など経済支援を軸にインド太平洋地域での影響力を強めてきた。  日本は「TPPの復帰が望ましい」(林芳正外相)として、米国に秋波を送り続けている。ただ、関税撤廃を伴うTPPは米国産品を安い輸入品との競争にさらし、米国内雇用の減少につながりかねない。支持率が低いバイデン政権には痛みの伴う自由貿易協定の推進は難しく、かつてのような「盟主」としての振る舞いはもはや目指していないだけに、「復帰することはない」(日本政府関係者)というのが国際社会の一般的な見方だ。  米国内の産業・雇用の保護という内向き志向と、台頭する中国を抑え込むことの両立を図るため、バイデン政権がTPPに変わる枠組みとして立ち上げたのがIPEFだ。IPEFには、日米韓豪印、タイ、インドネシアなど14の自由主義国家が参加。TPPと構成国は似通っているが、グローバルサウスの代表格として発言力を持つインドとインドネシアが加わっていることが最大の特徴と言える。  中国による経済的威圧のほか、ロシアのウクライナ侵略という要素も加わり、インド太平洋地域の自由経済の維持はかつてないほど危機的な状態に直面している。米国の基本戦略は、同国と中ロのどちらにも寄らないグローバルサウスを西側陣営に引き寄せることで、中ロの影響力を削ぐことだ。 ニュージーランドが早くも「離反」  22年5月に発足したIPEFは、「貿易」「サプライチェーン」「クリーン経

「頭を金髪に染めて鼻を高くしても決して西洋人にはなれない」と発言した王毅氏は私たちと価値観を異にする。

<中国外交の指令塔である王毅共産党中央政治局委員兼中央外事弁公室主任が韓日中交流行事で3国国民の人種的特徴を強調して論争になっている。  5日、共産党機関紙「人民日報」所属の環球時報WeChat(中国版カカオトーク)チャネルによると、王氏は今月2~3日、山東省青島で開かれた韓日中協力国際フォーラムに出席した韓国側演説者である姜昌熙(カン・チャンヒ)元国会議長らと会った席で「中日韓協力がアジアと世界に役立つ」と強調した。   王氏は続いて「中国・日本・韓国の友人が米国に行けば彼ら(米国人)は誰が中国人で日本人で韓国人なのか区別がつかない。欧州に行っても同じこと」とし「私たちが頭を黄色に染めて鼻筋を通して高くしたところで西洋人になれない。自分たちのルーツがどこにあるのかを知らなければならない」と話した。   王氏の発言は韓日中の国民の人種的類似性を強調して3国協力の正当性を強調しようとする趣旨であると同時に「我々がいくら西欧式の価値観を学び体得しても西欧人はこれを心から認めないだろう」という意味が込められている。これは排他的人種主義を取り上げたわけではないが、人種問題の敏感性に照らすと論争の素地があるという指摘も出ている。 「人種に基づく協力」と「人種に基づく差別」はコインの両面であるためだ。 中国外交部の汪文斌報道官はこの日の定例会見で、「王委員の発言が人種に基づく同盟を取り上げたという批判を呼んだ」という質問を受けて「我々は(非難に)決して同意することはできない」と答えた。単なる比喩をめぐって過度に解釈して非難しているということだ。   汪報道官は「我々が強調しようとしているのは中日韓3国が相互信頼を強化して真の多国間主義と開放的地域主義を実践して地域を冷戦や熱戦に追い込みかねないようないかなる言動にも反対し、地政学的衝突と集団的対立を地域に引き込むことに反対しなければならないということ」と説明した>(以上「中央日報」より引用)   中国外交トップの王毅氏が「頭を金髪に染めて鼻を高くしても決して西洋人にはなれない」と発言したという。なんという浅慮だろうか。私たち日本国民は西洋人になろうとは思っていない。ましてや欧米人では中国人と韓国人と日本人の区別がつかなくて、何が困るというのだろうか。それとも王毅氏は相手がどの国の人物かによって対応を変えているとでも云うのだろうか

真実不虚、やまたつ氏の報告。

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<「カナダ人ニュース」やまたつ氏の報告。 >(以上「you tube「カナダ人ニュース」より引用)  再びやまたつ氏のyou tube「カナダ人ニュース」より引用し、その画面のフォトショップを掲載した。詳しい説明を知りたいなら、是非ともyou tube「カナダ人ニュース」を視聴して頂きたい。  やまたつ氏は日本のマスメディアが決して報じない米国で歴然と行われている「情報統制」に関して、精力的に発信している数少ないジャーナリストだ。彼がyou tubeで報じなければ米国下院司法委員会内部に設置された政府武器化委員会で今年3月9日に行われたMatt Taibbi 氏やMichael Shellenberger氏の証言など日本国民の私たちが知る由もない。  ただ私たちは米国では主要マスメディアもSNSも強い何者かの影響下にあって、米国民は検閲されたニュースだけを提供されている、と感知するだけだった。その具体的な内容が引用you tube動画を視聴すれば米国で何が起きていたのかを「目からウロコ」的に知ることが出来る。  その関係図が二番目のスクショで、それを見れば米国民は米国民の税金を使う権限を有する何者かによって情報統制下に置かれていることが解る。そうした関係図を称してMatt Taibbi 氏は「検閲産業複合体」と称した。まさにコングロマリットと譬えて絶妙な命名だ。  しかもMatt Taibbi 氏が議会証言している当日にIRS(歳入庁、日本の国税庁に相当する)職員がNJ州のMatt Taibbi 氏の自宅に訪れていた。検閲があったなどと議会証言すると碌なことはないぞ、という脅しを掛けたものと思われる。  IRSはMatt Taibbi 氏の税務調査どころか、有権者登録証やハンティング免許、さらには武器の携行免許証や電話番号まで調査したという。結果として2018年と2021年のMatt Taibbi 氏の所得税申告を洗ったてところ、脱税どころか還付金があると報告をしている。  一枚目のスクショで明らかにしているTrump大統領のアカウント凍結の内幕や2020大統領選直前のHunter PCの情報隠匿など、政府機関がいかに情報操作していたかが明らかになっている。それが暴かれだした原因としては、先の中間選挙で下院を共和党が過半数を占め、議長を共和党議員が取ったことが大きい

現在の岸田自公政権の政策では経済成長3%どころか実質国民所得はデフレ化する。

<日本株が好調だ。日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)は、5月に入ってから平成バブル崩壊後の最高値を更新。6月も7日にそろって再び更新した。  「日本株の復活」についての要因はさまざま挙げられるだろうが、TOPIXの年初来リターンは約18%(6月9日現在)であり、米国株の代表的な指標であるS&P500種指数(同約12%)を上回っている。年末まではまだ長いが、このままなら2022年に続いて2年連続で日本株が米国株をアウトパフォームする(上昇率で上回る)ことになる。 日本株好調の「真の要因」は何か  一方、ドイツ、韓国、台湾などの株価指数は2023年初から日本株に先行して上昇していた。実は日本株は4月まで出遅れており、5月半ばからの大幅高で、それらの国の株価にほぼ追いついた。米国株や中国株への投資資金が年初から米中以外にシフトする中で、5月に日本株にも本格的な投資資金が入ったとみられる。  ちなみに、韓国や台湾の1人当たりGDPはもはや日本とあまり変わらないのでほぼ先進国と位置づけられるが、経済規模が相対的に小さい。それゆえ、外国人投資家からの資金流入に対する株式市場の反応は、日本よりも早かったのかもしれない。  もちろん、日本株が選好されている要因としては、政治情勢の安定、東京証券取引所によるPBR(株価純資産倍率)基準の明示化、半導体など製造業の国内回帰、などが挙げられる。  だが、5月になってから、これらに目立った動きがあったとは言いがたい。やはり、ほとんどの国がインフレ制御に苦慮する中で、日本のインフレ率が2%を超えても日本銀行が金融緩和を続けていることが大きいといえそうだ。4月に日銀の植田和男総裁が金融政策変更に慎重な姿勢を明確にしたことが、5月からの日本株高のきっかけになったのだろう。  ところで、前述のように、韓国株は年初来騰落率において、4月まで日本株を大きくアウトパフォームしていた。  では、同国の経済状況は良好なのだろうか。韓国では、合計特殊出生率が1を大きく下回り、日本よりも少子化問題は深刻とされている。同国の生産年齢人口がピークに達したのは2019年である。日本で生産年齢人口がピークに達したのは1995年だったが、それ以降日本ではデフレと経済不況が起きて「失われた20年」が始まった。 なぜ生産年齢人口のピーク後も経済成長できているのか

現行の円安や物価高騰は原因は明らかだ。

<再び進んでいる円安に歯止めはかかるのだろうか。ドル円相場は3月24日には一時1ドル=130円を割り込んだものの、その後は円安ドル高基調となり、6月末には一時1ドル=145円台に達するまで円安が進んだ。直近では財務当局の為替介入の可能性が指摘されているが、ドル円で言えばこの2カ月ほどで約10%円安が進んだことになる。 日銀が「金融政策正常化」に向けて動く条件とは?  この間、ユーロドルでみると1ユーロ=1.08~1.10ドルのレンジから大きくは変わっていないので、やはり「ドル高」というよりも「円安」の側面が強い。日本側の円安要因としては、日銀の植田和男総裁が政策修正に対して慎重な姿勢を保っていることが大きいだろう。  なぜ短期間のうちに、再び円安が進んだのだろうか。今春における春闘賃上げ率は約3.6%と1990年代前半以来の大幅な上昇となったが、筆者は、こうした大幅な賃上げが想定されることを理由に、日銀がこの夏場までにYCC(イールドカーブコントロール、長短金利操作)修正など、金融政策の正常化に向けて動きだす可能性が高いと考えていた。  だが、これまでの植田総裁をはじめとした日銀関係者の発言を踏まえると、足元2023年における企業による賃上げは、2022年までの食料品などの価格上昇に対する「所得補填の意味合いが大きい」と位置付けている可能性がある。  もし、来年の2024年まで同様の賃上げが続けば、それは賃上げを常態化させるという意味で「企業行動の変容」であり、これが日銀による「基調的な2%インフレ」の1つの条件になっているとみられる。  かつて、植田日銀総裁は大規模金融緩和政策に対して肯定的な見解を示していなかった。だが、アメリカのハーバード大学・ローレンス・サマーズ教授から評されたように「日本のベン・バーナンキ」(元FRB理事長、デフレを防ぐために2008年以降金融緩和を徹底)としての役回りに徹すると、腹を括っているのかもしれない。  今後、日銀の7月末の展望レポートで示される2023年度のCPIコア(生鮮食品を除いた消費者物価指数)の見通しは、2%台半ば前後に上方修正されるだろう。これは、4月以降のインフレ率の上振れでほぼ説明ができそうだ。  ポイントは来年2024年度のCPIコアの想定だ。現時点の予想は2%である。もし、これが「2%台前半に上方修正され、かつ

デジタル庁を検査する個情委の活躍や、いかに。

< 集中企画・マイナ狂騒    いくら言い繕っても、責任は免れないということだ。マイナンバーに別人情報が紐付けられるトラブルが相次いだことを受け、政府の第三者機関である個人情報保護委員会(個情委)が近くデジタル庁に立ち入り検査を実施する方針を固めたことが7日、判明した。マイナンバー制度の所管庁が検査対象になるとは衝撃だ。河野デジタル相は今ごろ、真っ青になっているのではないか。  ◇  ◇  ◇    個情委は公金受取口座の誤登録に関し、デジタル庁のリスク管理と対策に不備があったと問題視。自治体の支援窓口の端末で誤登録が相次いだことを受け、「自治体が端末を利用する際の正確な操作手順を徹底せず、リスクの軽減などができなかった」とデジタル庁の責任を重く見ている。  公金受取口座の誤登録をめぐっては、家族ではない別人の口座が登録されるミスが940件に上る(今月4日時点)。河野大臣は「自治体の支援窓口でのログアウト忘れにより、同一口座が本人と別人に紐付けられてしまった」と、自治体に“責任転嫁”する説明を繰り返してきた。しかし、そんな言い訳は個情委に通用しなかった。制度を直接所管する官庁が行政指導を食らうなんてことになれば、前代未聞である。 「委員会の求めに応じて適切に対応する」──。  河野大臣は7日の会見で、個情委の立ち入り検査に言及。「現時点で何か決まっていることはない」と詳細を明かさなかったが、その表情は普段の会見よりもこわばっているようだった。 「マイナンバー制度の所管庁たるデジタル庁が『個人情報を保護できていない』との烙印を押されたも同然で、河野大臣のメンツは丸潰れ。“クビ宣告”に等しいと思います。9月前半を軸に検討されている内閣改造で、河野大臣は交代させられるのではないか。岸田首相にしてみれば、立ち入り検査は河野大臣を更迭する十分な理由になりますから」(永田町関係者) 問われる個人情報保護委の本気度  来年秋に現在の健康保険証を原則廃止する政府方針に逆風が吹き荒れる中、立ち入り検査は政権運営にとって都合がいい側面もあるという。 「マイナンバーカードと保険証の一体化に賛成している日本医師会すらも、『現行の保険証の有効期間延長』を言い始めました。政権が『保険証廃止』に突っ走るか、仕切り直すのか、決めるタイミングは今しかない。そこで、独立性の高い個情委の立ち入