民主主義の結果責任はすべて国民に跳ね返って来る。
<岸田文雄首相は7月31日、新型コロナウイルスについて、感染症法上の扱いを、現行の厳しい感染対策が行われる「2類相当」から、季節性インフルエンザと同じ「5類相当」に引き下げる検討を進める考えを示した。これにより「保健所や医療機関の負担を軽減」でき、さらに「経済を回せる」というのだが、はたして本当か? その真偽を検証する。 5類引き下げで何が起こるのか 新型コロナウイルスを感染症法の2類から5類に引き下げるべきという議論が再び活発化している。この議論は昨年から始まり、感染者数が増えて医療体制が逼迫する度に解決策として注目を集めてきた。 賛成派は、5類に引き下げることで「濃厚接触者特定・就業制限などの措置が不要になり、保健所・医療機関の負担を軽減でき、本当に医療が必要な人に治療を提供できる」とし、さらに「風邪やインフルエンザと同じように無症状者・軽症者は通常通りの日常生活を送れば経済を回せる。良いことずくめだ」と主張している。 一方、反対派は「治療方法が確立されていない現状のままで5類に引き下げれば、医療費が国民負担となって受診控えが起きる上、感染者が市中にあふれて更なる感染爆発を招く。結果的に壊滅的な医療崩壊を引き起こす」と警鐘を鳴らす。 この議論は、専門家の間でも意見が真っ二つに割れており、一般人としては判断が難しい状況だが、一体どちらが正しいのか? 本記事では、5類引き下げによって何が起こるのかを賛成派・反対派双方の主張に基づいて整理し、本当に恩恵を受けるのは誰なのか検証していく。 まず、新型コロナウイルスを5類に引き下げると何が変わるのだろうか。感染症法で規定されている内容としては主に3点ある。 ① 医療費が自己負担になる ② 濃厚接触者特定が不要になる ③ 就業制限や入院勧告がなくなる 現状の2類だと医療費は全額公費負担だが、5類になれば風邪やインフルエンザと同様に一部自己負担になる。ちなみにインフルエンザの薬は2千円前後だが、新型コロナウイルスの薬は2万円以上(注射なども含めると約10万円になることも)と、10倍以上の差がある。 上記①~③に加えて、④早期治療が可能になると主張する専門家も少なくない。その理由としては「2類の受診は指定医療機関(発熱外来 等)に限られるが、5類ならば一般の病院やクリニックでも受診できるため、風邪やインフルエンザと同様