日本マスメディアの保守性は一体なんだろうか。
枝野経産大臣が「将来的に原発ゼロとすべきだ」と発言したことに対して、さっそく産経新聞が噛み付いている。現実的でない発言は慎むべきだというのだ。 すでに猛暑といわれるこの夏の電力需給で「原発がなければ電力不足に陥る」というのが嘘だとばれている。大飯原発だけが動いているが、それにより発電される以上の火力発電所を関電は停止している。 電力各社とマスメディアはそれでも電力供給率は逼迫していると主張するが、経産省が発表している自家発電総数量自体が昨年のままなのだ。今年の夏に向けて大企業や病院などが購入したガスタービン発電機などは経産省への届出が必要とされているため、最新の数字を経産省は掴んでいるはずだ。それでも最新の数字を発表しないのはなぜだろうか。 既得権益を利すための報道をマスメディアは心掛けているとしか思えない。貿易黒字が大幅に減ったのは発電用天然ガス購入が響いていると、火力発電は高くつくという「刷り込み」を国民にしようとしているとしか思えない。 電力各社が天然ガス購入の価格設定は世界の取引価格と比べれば異常に高いといわれる。数倍もする価格で取引をしているが、それは石油取引の際にガス価格もバーターで決めているから仕方ない、というのも変な話だ。 なぜそうしたことになっているのか。発電原価がいかに高くなろうと電力各社の利益は「発電原価の3%」と決まっているからだ。だから減価削減は一切不必要で、むしろ原価が高くなるほど利益が増える構造になっている。 高価な電気料金になろうと地域独占を保証されている電力各社はやりたい放題で国民に世界的に高い電気料金を押し付けて、2ヶ月も料金滞納すれば送電を切ってしまうのも平気だ。 そうした現実を一切批判せずにマスメディアは原発を止めれば発電コストは上がる、と馬鹿げた説明に終始している。世界には原発のない国はいくらでもあるし、それらの国の電気料金が概ね日本の電気料金を下回っている現実も報道しなければフェアーとはいえないだろう。 日本のマスメディアは腐り果てている。官僚の広報誌に堕して久しいが、業界からの広告宣伝費に頼りきっている「業界紙」でもあると批判しなければならない。 この国の将来の経済戦略として、再エネ発電技術は大きな柱の一つになるだろう。そのためには脱原発を謳って再エネ技術開発へ政府は全力で督励すべ