2027年問題(中国の台湾進攻)など、なんの根拠もない。

トランプ復活なら「台湾侵攻は静観」「ウクライナは分割」の悪夢か…説得のために「日本政界の長老」が動き出した
「もしトラ」という単語をご存知だろうか。「もしトランプ氏が米大統領に再選したら」というフレーズの略称だ。大統領返り咲きを狙う共和党のトランプ氏は、多くの州で予備選・党員集会が開かれる今年3月の「スーパーチューズデー」で圧勝し、対立候補のヘイリー元国連大使は選挙戦撤退を余儀なくされた。トランプ氏の再選が現実味を帯びる中、中国との向き合い方や、半導体サプライチェーンを含めたインド太平洋地域での経済連携、欧州との安保協力などの行方が焦点となる。

「2027年」が迫る
 日本など東アジア地域が最も意識する安全保障リスクは、中国による台湾への武力侵攻だ。中国の習近平国家主席は、3期目から4期目に差し掛かる2027年にも台湾侵攻に踏み切るとの観測が識者の間で浮上している。
 台湾有事に関する意見は割れている。不動産市況悪化で中国経済が弱含む中、「割に合わない戦争を仕掛ける余裕はない」(アナリスト)との意見が多いものの、習主席が国民の不満を逸らすため一線を超えるとの警戒感もくすぶる。
 仮に中国が台湾に攻撃を仕掛ければ、台湾海峡は封鎖され物流機能が麻痺状態に陥り、アジアのみならず世界経済に大打撃を与えることは必至。日本も「存立危機事態」に陥る可能性が高く、米国も軍事的リソースを大きく割かざるを得ない。平和と安定を維持する上で、「台湾有事を起こさせない」(元外務省幹部)ことが日米をはじめとした地域の利益となる。

トランプは「台湾有事」に関心なし
 バイデン米大統領は3月の一般教書演説で、「台湾海峡の平和と安定」に向け、日韓豪印などとの協力を深めていると強調。中国の軍備拡張を防ぐため最先端技術の輸出管理強化にも言及した。
 他方、トランプ氏は台湾有事を重大な問題と捉えていない可能性がある。昨年7月、FOXニュースのインタビューで、中国が台湾への武力行使を実行に移した場合の米国の対応を問われた際、「(政権を取った場合の中国との)交渉で不利になる」として明言を避けた。
 さらに、台湾について「半導体事業の全てを奪った」と非難した。世界的な半導体企業である台湾積体電路製造(TSMC)は日米にも工場を設けるなど、インド太平洋地域の半導体サプライチェーンを支える中核的な役割を担っている。
 そんな台湾が中国に攻め込まれ半導体の生産停止に追い込まれれば、日米をはじめとした同地域は国家機能が麻痺することは不可避となる。経済安全保障に詳しい識者は「トランプ氏には半導体協力における重要性を理解させ、経済・軍事面での台湾への関与を強めてもらう必要がある」と強調する。

麻生太郎「再訪米」のシナリオ
 トランプ氏が再選した場合、米国が主導するインド太平洋経済枠組み(IPEF)といった経済協力が「白紙に戻る」(日本政府関係者)リスクもささやかれている。同地域の盟主である日本が指導力を発揮し、トランプ氏を説得する役割が期待されるが、自民党の裏金問題に批判が噴出する中、米大統領選が終了した時点で岸田文雄首相が続投しているかどうか極めて不透明だ。
 ただ、日本は昨年の早い段階から「もしトラ」を意識した対策を打っている。象徴的なのが米国大使人事だ。岸田首相の昨年3月のウクライナ電撃訪問の絵を書いた山田重夫外務審議官(当時)は「外務次官の最有力候補」(某官庁幹部)と目されていたが、蓋を開けてみると、山田氏は米国大使に収まり、次官には岡野正敬内閣官房副長官補(当時)が就いた。 
 次官を経ずに米国大使に就任するのは極めて異例。山田氏は米国公使などを歴任し、野党共和党と太いパイプを持っていることなどが評価された格好だ。
 自民党は議員外交にも力を注ぐ。麻生太郎副総裁が今年1月にワシントンとニューヨークを訪問。日程調整が付かず、トランプ氏との接触は叶わなかったものの、麻生氏が再度訪米するシナリオも浮上している。

「ウクライナ割譲」もあり得る
 一方、トランプ氏が大統領に就任した場合、米欧の安保協力にも深い亀裂が入りそうだ。同氏が北大西洋条約機構(NATO)への批判を強めていることが背後にある。今年2月には、NATO加盟国との過去のやり取りを紹介し、欧州が軍事費を増やさなければ、ロシアから侵略を受けても「(米国は加盟国を)守らない」と伝えたと明らかにした。
これに対し、欧州各国からは「欧州の安保をもてあそぶべきではない」(ドイツのショルツ首相)、「賢明ではない」(英国のキャメロン外相)と批判が噴出した。米国の関与が弱まりそうな中、欧州は自前で安保強化に動かざるを得ない。協力体制が崩れればロシアがさらに増長し、ウクライナ情勢が一層の不安定化は避けられず、「ウクライナの一部領土が割譲される」(エコノミスト)警戒感もくすぶる。
 米大統領選は通常、現職が有利な戦いを進める。猛烈なインフレが改善しつつあり、バイデン氏の支持率は上向いているものの、いまだ4割程度と低い水準にある。一方のトランプ氏は熱狂的な支持者を抱えるが、数々の訴訟が選挙戦のネックとなるとみられている。同氏はバイデン氏と比べて、選挙資金集めに苦労している上、民事訴訟で巨額の賠償を命じられるなど、資金面での不安が高まっている。
 支持率低迷に苦しむバイデン氏と、スキャンダルを抱えるトランプ氏による選挙戦は有意義な政策論争が展開されず、互いを中傷し合う「泥仕合」に陥りそうだ>(以上「週刊現代」より引用)




 トランプ氏が台湾を見捨てるのなら、日本政府も「台湾有事は日本有事」などと寝言を云わないことだ。米国が台湾を見捨てる、と云うことは太平洋の西側半分を中国に譲る、と云うことでしかない。それは中国の原潜がカリフォルニア沖までノンストップで自由に行き来できる、と云うことで、それを米国は気にしない、と云うことだ。
 そんな米国に代わって、日本が台湾を巡って中国とドンパチする必要など何もない。ついでに日本国内から米軍にはすべて「お引き取り」願うことだ。役立たずの用心棒など、日本国民の税金で飼う必要はない。日本はインド並みの「非同盟主義」を採用して、 最大の国益を得られるようにその時々で最優先に必要な国と協力する“したたかな”外交戦略に転換すべきだ。

 もちろん引退間際の麻生氏に米国へ飛んでもらう必要もない。米国と手を切ったからと云って、日本の国民生活の何が変わるというのだろうか。もっとも週刊現代氏は2027年問題を喧伝しているが、習近平氏が2027年には軍備を整え、兵站を整えて台湾に軍事侵攻すると本気で考えているのだろうか。
 2027年まで中国経済が持ち直して、若者の失業率がゼロになり外国企業の多くが撤退した深圳や広州に中国国営企業が乗り込んで「世界の工場」を復活させて、中国の最先端技術を駆使して先進自由主義諸国へ工業製品を2018年当時のように輸出しているとでも云うのだろうか。戦争するには何よりも安定的な経済力がなければならない。中国は憑かれたように金を世界中から買い漁っているが、金で「元」の代わりをしようと考えているとしたら滑稽そのものだ。金本位制の国など世界中を探しても一国も見当たらない。貨幣とは国家・政府の信用そのものなのだ、という現代金融学すら中国共産党は知らないのだろうか。

 トランプ氏が「もしも米国大統領」再登板したら、との論が盛んにマスメディアなどで取沙汰されている。それほど米国主要マスメディアは今年の選挙結果に怯えているのだろうか。トランプ氏が共和党指名を得ようと、いわば内輪で発言している事柄を主要マスメディアが取り上げることの方がどうかしている。
 正式に米国大統領選が始まってから、その選挙遊説でトランプ氏が話したのなら「選挙公約」として当選後に実施すべきだと米国民から迫られるだろう。しかし現在は共和党の大統領候補者選びの段階だ。トランプ氏が「ウクライナから手を退く」と発言したからと云って、バイデン大統領がアフガニスタンから米軍を撤退させて、易々とタリバンにアフガニスタンを明け渡した愚策をトランプ氏もウクライナで繰り返すとは思えない。

 何よりもトランプ氏は「Make America Great Agein」を掲げているではないか。偉大なる米国は世界から手を退いて米国に「引籠」るのではないはずだ。トランプ氏は米国を「引籠りニート」にするとは云っていない。
 トランプ氏が「Make America Great Agein」を実行するなら、先進自由主義諸国と同盟関係を強くして、世界に触手を広げる独裁専制主義諸国と厳しく対峙するだろう。そうすれば21世紀中に世界から独裁国家を一掃できる。手始めに軍事力で領土を広げることに専念しているプーチンを叩き、次に世界覇権を夢見ている習近平氏を独裁者の椅子から引き摺り下ろさなければならない。

 それらは決して困難なことでもないし、軍事力行使を強行する必要もない。先進自由主義諸国がスクラムを組んで現代のツアーに立ち向かえば良い。習近平氏に対しては先進自由主義諸国が一致して対中デリスキングを進めれば良い。それだけで、二人は政権の座から追われるだろう。決して2027年に習近平氏が台湾を軍事侵攻することなどあり得ない。それまで彼は中国のトップに君臨することはあり得ない。なぜなら中国経済は崩壊しているからだ。
 習近平氏の権力は「改革開放」策を実施した鄧小平氏が蓄えた経済力があるからであって、習近平氏が揃えた膨大な数のポンコツ兵器があるからではない。その経済力を瓦解へ導いたのは習近平氏の「一帯一路」策であり「戦狼外交」だ。習近平氏は自ら「世界の工場」を壊す挙に出た。だから先進自由主義諸国は中国に造った「世界の工場」を見捨てた。そこに残るのは「世界の工場の廃墟」だけだ。


<私事ながら>
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